バイト戦士の大学生は税金に要注意!扶養から外れてしまう条件とは?

バイト戦士の学生のみなさん!いつもお仕事ごくろうさまです。

中には月に100時間以上も働いているような方もおられるかもしれませんね。

ところで、バイトで働きすぎるとどうなるかご存知ですか?

アルバイトをするともらえるバイト代。

その金額がある「壁」を超えると、バイト代の一部が手元に残らなくなってしまうのです。

そう、みなさんご存知の「税金」です。

今回は、働きすぎるとお給料にどんな影響があるかについて考えてみましょう。

また、税金を払わなければいけなくなる「壁」を動かすことのできる制度についても詳しくご紹介します。

1、バイトでの所得にかかる税金とは?

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いきなりですが、納税の義務は憲法30条に定められています。

『国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ』

また、税について法律で定めることを、「租税法律主義」といいます。

さて、アルバイトで得た給料には、どのような税金がかかるのでしょうか。

雇用形態に関係なく、アルバイトも会社員と同じ給与所得者として、所得税と住民税を徴収される対象になります。

所得税は収入にかかる税金です。国税であり、申告納税制度をとっています。

納税の対象となる所得として、10種類に区分されていますが、この記事では給与所得のみを扱います。

所得税は収入が多い人ほど高い税率がかかる超過累進課税方式となっており、税率は最低5%から最高45%までの幅があります。

住民税も収入にかかる税金です。地方税であり、賦課納税制度をとっています。

所得割(収入に応じた額)と均等割(一定額)という2つの部分から構成されています。。

アルバイトをして得た年間給与所得額が一定の金額を上回ると、所得税や住民税を支払うことになります。

1-1、第1の壁!所得税 103万円の壁とは?

所得税は毎年1月1日から12月31日までの1年間の所得に課税されます。

「超過累進課税方式」を採用しており、以下に示すように所得金額が多いほど税率が高くなります。過去には最高税率が75%の時代もありました。

課税所得金額 → 税額、税額控除額

————————————————

・195万円以下 → 5%、0万円

・195万円超~330万円以下 → 10%、9万7500円

・330万円超~695万円以下 → 20%、42万7500円

・695万円超~900万円以下 → 23%、63万6000円

・900万円超~1800万円以下 → 33%、153万6000円

・1800万円超~4000万円以下 → 40%、279万6000円

・4000万円超 → 45%、479万6000円

本来の計算式では195万円以下の部分に5%、195万円超330万円以下の部分に10%、というふうに積み上げていくのですが、面倒なので実務上は速算の計算式が使われています。

速算の計算式は、

所得税額 = (所得金額 - 所得控除) X 税率 - 税額控除

となります。

「控除」とは、計算の対象からある金額や数量を引くことをいいます。

この計算式で所得税額の計算をするときの控除として、所得金額に税率を掛ける前に控除する「所得控除」と、税額を掛けた後の金額から控除する「税額控除」があります。

一例として、年収500万円で、基礎控除と給与所得控除のみの場合を計算してみます。

(500万円-103万円) X 20% - 42万7500円 = 36万6500円

所得控除には、誰でも受けられる「基礎控除」の38万円があります。これは憲法に定める「健康で文化的な最低限の生活」を送るために必要な金額と言われています。また、給与所得者が受けられる「給与所得控除」があり、年収180万円以下では65万円です。

この2つの控除により、1年間(1月から12月まで)の給与所得が合計103万円以下ならば、所得税がかからなくなります。

逆に言うと、103万円を1円でも超えると、所得税がかかるようになります。これが103万円の壁と言われる所以です。

ここでさらに、納税者がいわゆる学生アルバイトのときに利用できる控除があります。

それが「勤労学生控除」です(勤労学生控除の詳細については後述します)。

この勤労学生控除では、27万円の控除が受けられます。この控除は上記103万円の控除に加算できるため、最高で130万円まで所得税がかからなくなります。つまり、所得税の壁が103万円から130万円まで後退することになるのです。

所得控除の物的控除には、社会保険料控除や生命保険料控除、医療費控除などがあるのですが、この記事では上記に示すような人的控除について扱います。

それでは、所得税についての控除を整理します。

・38万円の「基礎控除」

・65万円の「給与所得控除」

・27万円の「勤労学生控除」

以上3つを合計すると、最大で130万円の控除を受けられます。

年収が103万円を超えても、130万円以下で勤労学生控除を受ければ、所得税は払わなくてすみます。

しかし、もし年収130万円で勤労学生控除を受けなかったとすると、

(130万円-103万円) X 5% = 13,500円

の所得税を支払うことになります。

(おことわり)

平成25年から平成49年(2037年)まで、東日本大震災の復興財源確保のための「復興特別所得税」が課せられています。

税率は一律2.1%であり、所得税額にこの税率をかけた金額が徴収されることになります。

計算が複雑になるため、この記事では復興特別所得税について考慮しません。

1-2、第2の壁!住民税 100万円の壁とは?

住民税は、所得割と均等割の2つの部分で構成されています。

・所得割…前年の所得に一定の税率をかけたもの

・均等割…所得に無関係の一定額

所得割の税率や均等割の金額は自治体によって異なりますが、それぞれ10%、5,000円前後という自治体が多いです。

住民税の「給与所得控除」は、所得税の場合と同じ65万円です。「基礎控除」は市区町村によって異なりますが、35万円としているところが多いです。

大まかなめやすとして、年収がおよそ100万円以下であれば住民税がかからない、と考えて良いでしょう。

住民税の所得割の計算式は、所得税の計算式と同じです。

(前年の総収入 - 所得控除額) X 税率

この計算式からわかるとおり、住民税には「前年の所得に対して課税される」という特徴があります。

「昨年は働いていたが、今年は働いていない」という場合など、所得が前年から大きく減少したような場合に注意が必要です。

具体的な税額がいくらになるかは、お住まいの自治体のサイトなどでご確認ください。

ここで、住民税に対しても「勤労学生控除」が受けられます。

住民税での勤労学生控除の控除額は26万円なので、年間の所得が126万円までであれば、住民税が非課税となります。

住民税についての控除を整理します。

・35万円前後の「基礎控除」

・65万円前後の「給与所得控除」

・26万円の「勤労学生控除」

以上3つを合計すると、最大で126万円の控除を受けられます。

年収が100万円を超えても、126万円以下で勤労学生控除を受ければ、住民税は払わなくてすみます。

しかし、もし勤労学生控除を受けなかったとすると、

(126万円-100万円) X 10% = 26,000円

の住民税所得割がかかり、住民税均等割の5000円を加えると、住民税額は合計31,000円となります。

1-3、もし税金を払わないとどうなる?

もし、納めるべき税金をきちんと納めなかったらどうなるでしょうか。

住民税の場合、納付期限が過ぎると、税額の14.6%(最初の1ヶ月は4.3%)の延滞金がかかり始めます。

また、納付期限が過ぎてから20日以内に、郵送で支払いの督促状が届きます。

この督促を受けてもなお支払う姿勢を見せないときは、財産調査へとすすみます。滞納者の勤務先や口座を持つ金融機関などに、調査票が送られます。

調査により差押え可能な財産があると判明すれば、強制執行されます。勤務先の給与から天引きされたり、預金口座から徴収されたりします。

ここまで来てしまうと、日常生活を送るのはかなりきびしくなっているでしょう。

なお、租税等の請求権は非免責債権とされています。

つまり、国税や地方税、健康保険料や年金保険料などの滞納分は、仮に自己破産したとしても免責されません。

自己破産した旨を役所に伝えれば、税金の分納に対応してもらえる可能性はあります。

しかし、それまでに滞納していた税金だけでなく、新たに発生する税金も支払っていかなければなりません。

所得税を払わなかった場合は所得税法違反、住民税を払わなかった場合は地方税法違反となります。

不正行為で納税を逃れようとすると、10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金になることがあります。

この罰金はあくまでもいわゆる脱税の罪に対するものであって、税金は税金として納めなければなりません。

もれなく延滞税がかかってきますし、悪質な税金逃れでは重加算税もかかってくるため、実際の納付額は当初の納税額よりはるかに多くなることがあります。

厳しいですが、納税の公平性は、そのようにして担保されているのです。

2、勤労学生控除って何?勤労学生控除に当てはまる条件とは?

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納税者がアルバイトなどをしている学生であるなどの条件にあてはまるときは、給与所得から一定の金額を控除できます。これを勤労学生控除といい、勤労学生の税金負担を軽減するための控除となっています。

年末調整において、所得税と住民税の控除を受けられます。

勤労学生控除を受けるには、その年の12月31日の現況において、次の3つの条件を満たす必要があります。

(1)「給与所得などの、”勤労による所得”があること」

給与所得とは、収入から給与所得控除などを引いた分になります。

毎月給与を受け取る継続したアルバイトのほか、短期のアルバイトでも、働いて収入を得れば給与に当てはまります。

親からの仕送りなどの贈与されたお金は、給与に当てはまりません。

(2)「合計所得金額が65万円以下であり、かつ(1)の”勤労に基づく所得”以外の所得が10万円以下であること」

合計所得金額とは、収入から給与所得控除などを差し引いた額です。給与所得の控除額は収入によって異なります。

年間の収入が130万円以下ならば、給与所得控除65万円を控除した金額が65万円以下となるため、勤労学生控除を受けられます。

また、アルバイトなどの勤労所以外外に、株取引やなどで得た収入が10万円以下である必要があります。勤労学生控除は、労働して得た給料が大半の場合でなければ、適用を受けることができないのです。

(3)「特定の学校の学生、生徒であること」

以下のイロハに挙げる学校のうちのどれかに通っている必要があります。

イ:学校教育法に規定する小学校、中学校、高等学校、大学、高等専門学校など

ロ:国、地方公共団体、学校法人等によって設置された専修学校または各種学校のうち、一定の課程を履修させるもの

ハ:職業能力開発促進法の規定による認定職業訓練を行う職業訓練法人で一定の課程を履修させるもの

高校や大学に通っている人だけでなく、専修学校や職業訓練法人に通っている人でも、控除の対象になり得ます。

自分の通っている学校がこの条件を満たしているかどうかわからない場合は、在籍している学校の窓口に問い合わせてみましょう。

以上が年末調整の際に申告できる、勤労学生控除の要件です。

この勤労学生控除を適用すれば、所得税の103万円の壁と住民税の約100万円の壁を超えても、130万円と約126万円までの範囲内であれば、それぞれ税金を払わなくてすむことになります。

3、勤労学生控除を受けるためにするべきこととは?

給与所得者が勤労学生控除を受けるための手続きとしては、年末調整の際、勤務先に「扶養控除等(異動)申告書」を提出することが必要になります。

まずはこの書類上部の、勤務先会社名と所在地、自分の氏名や住所やマイナンバーなどの欄に記入します。

そして書類の真ん中より少し下ほどに、「主たる給与から控除を受ける」という項目がありますので、このうちの「5.勤労学生」を選んで◯印を付けます。さらにその隣の「左記の内容」欄に、学校名と入学年月日、所得の見込み額を記入します。12月分はまだ確定していないために見込みになります。

このように記入した書類を勤務先に提出すれば、勤労学生控除を適用した形で、年末調整をしてもらうことができます。

なお、年末調整とは、毎月の給与所得から源泉徴収した所得税額の合計が、その年の給与総額から算出される所得税額と比べて過不足があったときに、年末の給与支払いの際に差額を調整して精算する手続きです。

多くの場合、払いすぎていた税金が戻ってくることになります。

4、複数のアルバイトを掛け持ちしている学生の勤労学生控除ってどうするの?

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複数のアルバイト先があるときは、それぞれ個別ではなく、総額で考えます。つまり、アルバイト先が2つあって、それぞれ60万円ずつの給与を得ているとすれば、合計すると120万円ですから、勤労学生控除がなければ所得税を払わなければいけなくなります。

マイナンバー制度が導入されたので、アルバイトを掛け持ちして複数の給与を得ている場合でも、給与総額を補足されやすくなりました。

勤労学生控除を受けるためには、年末調整または確定申告の手続きをすることが必要です。

ただ、年末調整ができるのは1社だけです。

それ以外のアルバイト先については、本人自ら税務署に確定申告をする必要があります。

確定申告は例年2月中旬から3月中旬の期間に行われており、以下3通りのいずれかの方法を選択できます。

・税務署に赴いて書類を作成・提出する

・自宅で書類を作成して税務署に郵送する

・e-Taxを利用しウェブ上で書類を作成・提出する

ウェブや書籍などを参考に記入していけばそれほど難しくないので、郵送やe-Taxの方法で簡便に済ませることもできます。

不安だったりするなら、税務署に行くのをおすすめします。書類の作成方法について丁寧に教えてもらいながら作成できます。

税務署に行くときには、以下のものを持参してください。

・源泉徴収票

・銀行の預金通帳

・認印

・マイナンバー(カード)

全てのアルバイト先で源泉徴収票を発行してもらいます。源泉徴収票には1年間の収入等がまとめて記載されています。

また、勤労学生控除を利用する際、学校の証明書の提出を求められる場合があります。必要な場合は、学校の窓口で証明書を発行してもらっておきましょう。

申告を行う場合は、確定申告書に勤労学生控除に関する事項を記載したものを提出してください。

5、アルバイトで稼ぎすぎるとどうなる?

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勤労学生控除を利用すれば、所得税や住民税が非課税となる上限を引き上げることができました。

ただ、勤労学生控除を受けて自分の所得税や住民税を払わなくてよくなっても、そのほかの点で意外な落とし穴があります。

5-1、親の税金が高くなる

世帯主(親など)の被扶養者(扶養者になっている人で、配偶者や子など)が、アルバイトで年間103万円以上稼ぐと、世帯全体での手取額が減ってしまうことがあります。

これは、被扶養者の年収が103万円を超えると、世帯主が「扶養者控除」を受けられなくなるからです。

扶養者控除は、16歳以上19歳未満の被扶養者一人当たりにつき、所得税は38万円、住民税は33万円です。

19歳以上23歳未満の被扶養者は「特定扶養親族」となり、所得税では63万円、住民税では45万円という特に手厚い控除を受けられます。

この控除は、世帯主の所得から扶養者控除として差し引かれます。

世帯主が扶養者控除を受けられなくなると、世帯主の納める所得税が増えます。

例えば、親の年収が500万円とすると、学生が被扶養者でなくなった場合、10万円ほど親の所得税と住民税が増えることがあります。

また、扶養者控除がなくなれば、もれなく所得税額が上がるわけですが、世帯主に適用される所得税率が一段階上がってしまうことも起こりえます。

勤労学生控除により、子の学生が数万円の所得税と住民税を払わずにすんだとしても、家族単位で見れば合計納税額が増える可能性があるのです。

上記のケースでは親の税金が約10万円増えるので、子の学生が114万円以上稼ぐことができるのであれば、勤労学生控除を利用するメリットがあります。しかし、子の年収が103万円から114万円の間であれば、家族単位でみると損ということになります。

「(学生の)勤労学生控除」と「(親の)扶養者控除」は併用できないのです。

このデメリットは、勤労学生控除が一般にあまり広く利用されていない一因になっているといえるでしょう。

控除以外では、扶養している子の年収が103万円以下など一定以下の金額であることを条件に、子1人あたりいくらかの「扶養手当(家族手当)」を出す企業があります。

子の年収がこれを超えると、会社員である親が勤務先企業から支給されている扶養手当がなくなる可能性もあるのです。

また、子が親の扶養を外れて扶養者控除が使えなくなると、親の納めた税金が不足することになります。税務署から親の会社に通知され、親は会社の担当者に呼び出されて、税金の不足分を払うように言われます。

もし、親に黙ってアルバイトをしていたとすると、その時点で親に気づかれることになります。2重の意味で怒られてしまうでしょう。

親の扶養に入っている学生は、基本的には年収103万円以下に抑えたほうが良いケースが多いです。

アルバイトをするときには家族とよく相談し、アルバイト年収の上限を決めておいたほうがよいでしょう。

そして、秋頃になったらその時点までの収入を集計してみて、年収が上限を超えないようにバイト量を調整するとよさそうです。

5-2、第3の壁!社会保障 130万円の壁とは

子の学生は、被扶養者として親である世帯主の公的医療保険に加入していることがほとんどでしょう。

その被扶養者から外れてしまうのが、社会保険の壁です。

社会保険の壁は、130万円です。これが世帯主の被扶養者になれる収入の上限だからです。

130万円を超えると、健康保険と年金の社会保険料を、扶養者ではなく自分で支払わなければならなくなります。

その場合、概ね毎月約2万円ほどを負担することになります。年間ではなんと約24万円にもなり、所得税や住民税とは桁違いの大きな負担となります。

また、親の会社の健康保険組合では、「被扶養者の月収が3か月連続で108,333円(=130万/12)超のときは被扶養者から外れる」などの独自の判断基準があったりします。年収だけでなく、月収にも注意しなければならないときがあるのです。親が加入している健康保険に関する条件も確認しておきましょう。

ところで、平成28年10月から、社会保険料の支払いが必要とされる対象が年収106万円までに拡大されました。

ただし、以下の条件の4つ目があるため、この「106万円の壁」は学生には関係ありません(主にパートの主婦を想定)。

社会保険適用対象拡大の5要件

・週の所定労働時間が20時間以上あること

・賃金の月額が88,000円(年収106万円)以上であること

・勤務期間が1年以上の見込みであること

・学生でないこと

・勤務先が従業員501人以上の企業であること

なお、国民年金については、「学生納付特例制度」を利用すれば、学生でいる間は保険料を払わなくてもすみます。毎月納付でなく一括納付をすれば、納付額が多少減額されます。

もし国民年金保険料を払うのであれば、学生自身ではなく、親に払ってもらった方が節税できます。「社会保険料控除」を受けられるからです。

扶養控除の範囲内ではたらいている人は、月々のバイトの給与明細をよく見て、月収や年収を確認するようにしてください。

一説には、130万円を超えるなら、200万円弱まで働いてしまったほうが良いとも言われています。

6、アルバイト先で源泉徴収されている場合、確定申告でお金が戻ってくる

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アルバイトの給与明細が手元にあればご覧ください。

1ヶ月の給料が88,000円以上だと所得税が引かれ、88,000円未満だと引かれていないはずです(88,000円未満でも、2カ所以上で働いているケースなどでは引かれていることがあります)。

月収88,000円以上のときに所得税が引かれているのは、その月収を12倍すると所得税のかかる103万円を超えると考えられるためです。つまり、月収が88,000円を超えるときは、その月の収入から予め所得税を自動的に天引きしておくのです。

これには税金の取りはぐれを防ぐという目的があり、「源泉徴収」と呼ばれています。勤務先には、源泉徴収して税務署に納付する義務があります。

ただし、結果として年収が103万円を超えなかったり、一年の合計額で算出した税額と差額が生じたりすることがあります。このとき、本来支払うべき税額との差額分を、「年末調整」や「確定申告」により精算します。多くの場合、払いすぎた税金が戻ってきます。

年末調整や確定申告については、本記事の3や4でも少し触れました。

年末調整は勤務先がやってくれます。年末調整を行ってもらえば、天引きされていた税金が12月の給料分に足されて戻ってきます。

ところが、勤務先に年末調整をしてもらえなかったり、年末までにアルバイトを辞めてしまったようなときは、自分で確定申告しないと税金が還付されません。確定申告は2月中旬から3月中旬の期間に行います。

なお、学校卒業・会社入社直前の1月から3月までにアルバイトをしていた場合は、アルバイト先から源泉徴収票を受け取っておきましょう。入社した会社にその源泉徴収票を提出すれば、アルバイトしていたときの源泉徴収分も含めて年末調整をしてもらえます。

7、小括

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ここまで、3つの「壁」をご紹介しました。

・所得税 103万円の壁

・住民税 約100万円の壁

・社会保障 130万円の壁

勤労学生控除を利用すれば、所得税は130万円まで、住民税は約126万円まで、税金がかからなくなります。ただ、勤労学生控除を利用するには、年末調整の際に勤務先に「扶養控除等(異動)申告書」を提出するか、自分で確定申告しなければなりませんでした。

また、被扶養者である学生の子の年収が103万円を超えてしまうと、世帯主で扶養者である親が扶養者控除を受けられなくなり、世帯全体では納税額が増えてしまいます。

さらに、親が会社から受け取っていた家族手当がなくなったり、子が自分で社会保険に加入しなければならなくなったりします。

このように、一定の額を超えて稼ぐと、手続きが増えたり、どこかで金銭的にマイナスになったりします。

アルバイトをがんばるのは悪いことではありませんが、稼いだ金額によってどんな影響が出てくるのかを考慮するようにしましょう。

シンプルな原則として、バイトの年収は103万円以下にしておけば、いろいろ面倒が少なくて済みます。

学校の長期休暇に集中してアルバイトをする人もいるかもしれません。年間を通して計画的に働き、なるべくこの範囲内に収まるように調整しましょう。

また、働きすぎて体調を崩したり生活や学業に支障が出たりしないようにもご注意ください。

8.自分に関わる税金のしくみを知っておこう

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今回は主に所得税と住民税についての話でした。

そして、自分単位や家族単位でどうしたら納税額を少なくできるかについて考えてきました。

ここで、地域単位、日本全体単位で考えるとどうでしょうか。

徴収された税金は、行政サービスや各種の政策の実現など、何らかの公益のために使われます。所得の再分配や景気の調整の意味合いもあります。

税金を払うことは社会を間接的に支えることであり、地域単位や日本全体で見れば、税金の支払いで損をしたとか得をしたとかという観点は的外れになるかもしれません。

税金の使い道について気になったら、国や自治体の予算について調べてみましょう。

しかし、自分が苦労してようやく得て、自分の自由に使えるお金をなるべく手元に多く残したいというのが人情です。

そのためには、やはり税金の仕組みに知識と関心を持たないといけません。

勤労学生控除のような仕組みは、自分から申請しなければ適用されません。納税額が最小になるように、徴税側が融通を利かせてくれるわけではないのです。

知っていれば得をするが、知らないと損をする(または得をできない)、というようなことはとても多いです。

特にお金に関することは、社会に出て実生活を営んでいく上で間違いなく必要になる知識なのですが、なぜか学校ではほとんど教えてくれません。

多くの制度に通暁するための時間や労力を割くのは現実的に無理でしょうし、専門家になるのでなければその必要もありませんが、自分が関わりそうな事柄に関しては基本的な部分だけでも押さえておいたほうがいいでしょう。

個別にウェブで検索してもいいですが、一通りの基本知識をまとまった形で修得したいなら、FP(ファイナンシャル・プランニング技能士)資格の勉強をおすすめします。

試験まで受験しなくても、テキストの気になるところを眺めるだけでも、お金に関するさまざまなことが身につき、マネープランやライフプランの検討に役立つはずです。

さらに、銀行や証券会社、保険会社や不動産会社への入社を志望されているなら、FPの2級以上を取得しておけば、就職活動において会社にアピールできる有力な材料のひとつになるでしょう。もちろん、入社後の実務においても役に立ちます。

ところで、この記事に関連することで、最近変化がありました。103万円の壁といわれていた配偶者控除の金額が、150万円に変更されたのです。

これはいわゆるパート主婦を主な対象としたもので、女性の社会進出を後押しする目的があります。このような仕組みの変更は、単なるお金の問題に留まらず、ライフスタイルや人生まで変化させるものなのです。

学生生活に関係のあることでは、残念ながら現状では以下の通りです。

・学費の支払いは控除されない

・就活の費用は確定申告で必要経費扱いにならない

・貸与型奨学金の返済は控除されない

特定扶養控除が充実しているとはいえ、大学生活はいろいろと出費がかさみます。

こういったことを、機会を捉えて政治に訴えたり自ら発信したりしていけば、今すぐ自分が恩恵を受けられないとしても、みなさんの子供世代が大学生になる頃には制度が変わっている可能性があるかもしれません。

9、まとめ

・アルバイトで得た給与は、所得税と住民税の対象になる

・所得税は103万円まで税金ゼロ、勤労学生控除を使えば130万円まで拡大

・住民税は約100万円まで税金ゼロ、勤労学生控除を使えば約126万円まで拡大

・勤労学生控除のデメリットは、親の税金増加や手当て縮小

・アルバイト収入はなるべく103万円以下に抑えておこう

・年末調整や確定申告により、過払いしていた税金が戻ってくる

・ 税金などについての勉強をするならFP資格がおすすめ