大学生も個人事業主になる時代!気になる届出や手続きはどうやるの?

大学生になると、何かしらのアルバイトをしている学生さんが多いですよね。

大学生のアルバイトは、「確定申告とは関係ない」とか思っていませんか?

年末調整されていない収入がある人は、年齢に関係なく確定申告が必要なのです。

そして、雇用関係のない所得がある人で確定申告をしている人を、税法上「個人事業主」に区分されます。

そこで、この記事では、大学生の個人事業主に該当する人が知っておいた方が良い確定申告の仕方について解説します。

1、大学生も個人事業主になる時代です

大学生が「個人事業主」って、ちょっとピンとこないですよね。

でも、最近は、大学生でもネットを使ったビジネスや、投資、クラウドソーシングなんかで、アルバイトの給与よりもずっとたくさん収入がある人が多いのです。

最近の学生は、小学校時代からネット環境にあるので、10代からブログ等で上手にアフェリエイト等の広告収入を得たり、株・投資、クラウドソーシング等で、年収百万円を超える収入がある人も少なくありません。

例えば、本名でブログをやっていて、明らかなアフェリエイト収入が予測されたり、大々的にブログの中で、趣味の手作り品を販売していたり、その反響が大きい場合は、確定申告していなくても「私はたくさん儲けてますよ~!」とネット上で公言しているようなものです。

また、クラウドソーシングで源泉徴収されているのに確定申告をしていない場合は、源泉徴収されている時点で、取り行き先の会社があなたの代わりにあなたの名前で収入を申告してくれているのです。

その額が基礎控除内の低額なら税務署も還付請求されては損なので、敢えて自分から動きませんが、その額が明らかに基礎控除を超える場合は、所得税はもらっていても、「他にもあるかも?」と興味を持たれてしまう可能性もあります。

そうなると、申告していない副収入があっという間にバレてしまいます。

その結果、追加徴収され、その遅延金(年利5%)と罰金を併せて年収の数倍もの徴収を課せられてしまうこともあります。

そんなことにならないよう、心当たりのある人は、確定申告をするようにお勧めします。

少額で税制控除内の金額なら確定申告したら、課税所得がゼロになって、あなたが源泉徴収された税金が全額還付される事もあるのです。

2、そもそも個人事業主ってなんなの?

Bess-Hamiti / Pixabay

(1)個人事業主とは?

一般的に「個人事業主」というと、法人ではなく屋号を掲げて事業を独りで行っている事業主をイメージするでしょう。

しかし、屋号を掲げるわけでもなく、雇用関係にない仕事等の個人の収入で、収入を確定申告した人は、例え還付請求目的で、事業収入が毎年ゼロでも、あなたは税法上の「個人事業主」に該当するのです。

ここで注意が必要なのは、「税法上の個人事業主≠一般的に世の中の人がイメージする個人事業主」ということです。

屋号(法務局に商号登記していない屋号も含む)を掲げている個人事業主も、フリーランスで屋号を掲げない個人事業主も、税法上の「個人事業主」に該当します。

しかし、世間一般でいう個人事業主には、屋号を掲げている小さな家族経営の商店等のイメージです。

例えば、八百屋さんや酒屋さん、個人経営の士業や不動産業・・・etc.です。

一方、税法上の「個人事業主」は、このような屋号を掲げた個人商店等だけでなく、屋号を掲げていない「フリーランス」も含みます。

とにかく、給与所得や雑所得だけでなく、不動産所得や売上げ所得を計上した確定申告をしている人全てを、税法上は「個人事業主」なのです。

さて、確定申告には、白色申告と青色申告があります。

白色申告は基礎控除38万円のみ、青色申告はこの基礎控除に青色申告特別控除がプラスされます。

青色申告特別控除には、65万円と10万円の2種類があります。

65万円の方は、多く控除されるだけ、帳簿も複式簿記が義務づけられています。

10万円の方は、簡易簿記と現金主義の2種類あります。

現金主義で青色申告すると、複式簿記にしても控除額は10万円にしかなりませんが、現金払いだけなので、他の青色申告のフォーマとよりも確定申告のフォーマットが単純で簡単です。

どうせ個人事業主で売上げ収入を申告するなら、青色申告をした方が控除額も大きくなって、同じ売上高でも白色申告よりもの青色申告の方が、課税所得が低くなるので節税になります。

ただし、雇用関係以外の収入で確定申告をしても、雑所得にしかならず、「個人事業主」と認められない場合もあります。

例えば、高齢者の年金収入だけだったり、少額の金融商品の配当だけだったり、他にもありますが、その場合は税務署が青色申告を認めてくれないでしょう。

(2)アルバイトやパートをしている大学生A君が雇用関係のない副収入がある場合

アルバイト等の雇用関係の収入は、基礎控除38万円と給与控除65万円ですから、103万円以上の給与がある場合、扶養から外れてしまいます。

聞いたことがある人も多いと思いますが、世の中では「103万円の壁」といわれています。

ところで、「103万円の壁」ギリギリで親の扶養に入っていた学生が、雇用関係以外の少額収入があった場合はどうでしょう。
親の扶養の場合、学生の収入証明が必要な会社が多いでしょう。

その時に、学生のアルバイト先の会社の支払い調書と雇用関係以外の支払い調書をそのまま提出すれば、103万円を超えて確実に扶養から外れてしまいます。

103万円の壁とは、基礎控除38万円、給与控除65万円ですから、合計103万円まで課税所得ゼロとなって、親の扶養に入れるというわけです。

さて、学生には勤労学生控除27万円という特権があります。

勤労収入とその他収入(10万円以下)の合計額から、基礎控除38万円、給与控除65万円、勤労学生控除27万円、合計130万円です。
その他収入が10万円以下と限られていますが、103万円の壁が130万円まで跳ね上がったかに見えます。

ところが、これは所得税の課税所得の話です。

扶養の壁が高くなったわけではありませんので、注意しましょう。

A君が父親の扶養に入っている場合、父親の扶養控除手当がなくなりますので、父親の給料に大きく影響しますので、103万円の壁を越える場合は、親に相談することをお勧めします。

ただし、家族公認の下、扶養から外れた場合、A君の所得税は130万円までなら、課税所得ゼロとなり、勤労収入の源泉徴収された所得税等は全額還付されます。

また、住民税については、勤労学生控除は26万円、基礎控除は33万円と、控除額が異なりますので気をつけて下さいね。

でも、学生本人の総収入が130万円までなら、親の扶養からは外れますが、親の社会保険の被扶養被保険者のままでいられます。

(3)雇用関係以外の収入ばかりの人

売上げ等の総年収が年間38万円以上ある人は、控除額の大きい青色申告をした方がお得です。

税法上個人事業主には、青色申告だけでなく、白色申告も含まれます。

しかし、青色申告は、開業届を提出しますので、公にも屋号を名乗って世の中のイメージする「個人事業主」だと名乗ることも可能なのです。

青色申告の場合、開業届を提出しますが、屋号の有無は関係ありません。

屋号保護のために法務局に屋号商号登録をするのは自由ですが、法人登録をする必要はありません。

つまり、屋号を商号登録したい人以外は、税務署に「青色申告します」と申し出て、必要な書類に記載するだけで良いのです。

提出する書類は、通称「開業届」と通称「青色申告申請書」だけです。

これらの提出書類については、後で詳しく解説します。

ちなみに、開業届の屋号は、個人の氏名でも何の問題もありません。

さて、青色申告は、控除額が大きく、赤字が3年間繰り越せます。

ただし、控除額が大きくなって、赤字を繰り越せるほどの優遇を受けるのですから、その分税務署が管理しやすいように、複式簿記による帳簿が義務づけられます。

10万円の青色申告特別控除の場合は、簡易簿記と現金主義があり、特別控除が10万円と少額である分、帳簿づくりが簡単になります。

さらに、現金取引のみに限られた「現金主義」なら、青色申告も一層簡単になります。

また、白色申告の場合は、収支の帳簿を簡易簿記で3年間保管義務はあるものの、確定申告のフォーマットも簡単です。

また、個人事業主でも法人と同じように消費税と事業税(個人事業税)が取られます。

しかし税務署に納める消費税は、顧客からもらった消費税全額ではなく、経費を引いた課税所得分の消費税だけで良いのです。

また、個人事業税は、課税所得が290万円未満の場合は、個人事業税が免除されます。

そもそも白色申告をしている人は、一概にはいえませんが、還付請求目的で行っているケースも多いので、その場合は、課税所得がゼロなのですから、消費税や事業税は論外でしょう。

(4)初心者向けは法人よりも個人事業主がお勧め

脱サラしてフリーランスや起業を考えた場合、合同会社や株式会社といった法人にするか、個人事業主から始めるかを迷う人も多いでしょう。

確かに法人の方が、社会的な信用も高く、経費の幅も広く、さまざまな節税対策ができるよう優遇されています。

しかし、法人登記の手続きは、面倒で費用もかかります。

まず法務局の登記の手続きが、書類も多く、取締役や定款も複雑で、非常に煩雑な手続きです。

また、会社とプライベイトの収支が全く別物である法人の場合、会社の支出とプライベイトの支出が完全に分離されていますので、経費と認められる枠も大きいのですが、その反面、会社はあなたの所有物ではないので、合同会社なら社員全員の、株式会社なら株主の過半数以上の賛同がなければ何もできません。

さらに、会社が上手く行かなかったからといって簡単に撤退するわけにもいきません。

従業員の生活もかかっていますので、従業員や株主の賛同を得るのも難しく、責任も問われます。

さらに、撤退の手続きも面倒で、費用もかかります。

税務署への申告も複雑になってきますので、税理士の手助けが必要となります。

では、「全ての手続きが株式会社よりも簡単で、費用も低額な合同会社から始めたら良いのではないか?」と思った方がいるかもしれません。

確かに株式会社よりも企業資金が少なく、資本の出資者も株主ではなく社員ですから、アットホームな感じがして、会社の利益が社員に還元されるので中小規模の会社なら、株主総会よりも様々な事の賛同も得やすい感じがします。

ところが、日本の場合、まだまだ合同会社の知名度は低く、合同会社の金融機関の信用度に関しては、個人事業主よりは多少高くても、ドングリの背比べ程度といっても過言ではありません。

手続き費用が株式よりも多少安くても、その手間は大差ないのですから、合同会社にするなら、株式会社にする事をお勧めします。
ただし、家族・親族の少人数経営で上場も希望しないなら、細々とやっていくつもりなら、株主総会ではなく、家族や親族の賛同だけで自由に決められる合同会社の方が、お勧めであるケースもあります。

一般的に、会社の起業初心者であり、将来一部上場も考えて、家計を腕一本で支えて行く覚悟ができたとしても、まだまだ将来の保障はありません。

覚悟は必要ですが、まず初めは費用もさまざまな手続きの手間もかからない個人事業主から始めた方が安全でしょう。

何といっても、撤退が簡単で失敗したときのダメージが少ないからです。

そして、成功したなら、個人事業主から法人へ移行すれば良いのです。

屋号をつけた個人事業主なら、屋号の変更もなく、そのまま手続きができます。

そして、株式にできるほど利益が増えたなら、税理士や行政書士等のさまざまな手続きは、専門家にお願いしてしまえば、簡単に株式に移行できます。

法務局の法人手続きは、司法書士や弁護士の方が専門的に思えるかもしれませんが、小さな会社の場合は、行政書士にお願いする事をお勧めします。

費用が弁護士や司法書士に比べて格安です。

ただし、建築業や不動産業等、トラブルが多い業種の場合は、別々にお願いするよりも、初めから司法書士や弁護士に相談して、一括顧問契約とする方がお安い場合もあります。

3、個人事業主の開業届をおこなうべきは誰か?

geralt / Pixabay

今までの解説で、初心者は個人事業主からの方がお勧めだということがおわかり頂けたと思います。

先にも解説しましたように、税法上の個人事業主退く分には、白色申告と青色申告があります。

しかし、メインバンクの口座名義に会社名をつけることができるのは、青色申告のみです。

やっぱり、名刺とメインバンクにセットで会社名が入っている方が、(税法上の区分だけでなく)世間的に個人事業主っぽいです。

白色申告でも、会社名を名刺に書くことはできますが、口座の名義は個人名です。

個人名の口座に報酬を振り込むよりは、会社名義の口座に報酬を振り込む方が、会社としての信用があります。

でも、青色申告は複式簿記で難しいというイメージがあります。

しかし、青色申告でも科に簿記もあるのです。

ただし、青色申告特別控除が10万円となってしまいます。

同じ条件で、現金主義なら、確定申告のフォーマットも現金取引だけなので、もっと簡単です。

しかし、複式簿記はちょっと勉強したら、できるようになります。

しかも、経理関係のソフトは、自動計算してくれますので、金額を入力するだけで非常に簡単です。

せっかく青色申告をするくらいなら、初めから複式簿記で65万円の特別控除を受けた方がお勧めだということもおわかり頂けたでしょう。

では、次に、どういう場合に青色申告をした方がお得なのかを解説します。

結論から申し上げると、雇用関係のない給与以外の収入が38万円以上ある人は、青色申告をして、個人事業主になった方がお得なのです。

青色申告の場合は、売上げ所得を上げながらも、給与所得も計上でき、併せて、黒字にすることも可能です。

また、屋号もなく自宅で開業した場合も、自宅の家賃も事務所の家賃として経費に計上できます。

光熱費や通信費等の生活費の一部も、通常事務所を借りた場合に必要なのですから、経費として計上できます。

事務所を借りた場合と想定できる自宅の光熱費や通信費やパソコンの購入費やコーヒーやトイレットペーパー等の日用品も経費に計上が可能となるのです。

経費が多くなるほど、課税所得が小さくなって、節税になります。

(1)源泉全額還付目的で白色申告をしている人も青色申告がお得!

それら経費を差し引いて、年間所得が38万円程度なら白色申告でも大丈夫ですが、複式簿記を少し勉強して青色申告をした方が、3年間の赤字の繰り越しができますので、お得です。

それに、課税所得がゼロの場合は、源泉徴収されている報酬の源泉分は全額還付請求ができます。

白色申告している人の多くは、この源泉全額還付を目的に行っている人も多いでしょう。

でも、売上げが100万円を超えると、経費での売上げ所得の減額をしても、基礎控除以内の収入に収めるのは難しくなるでしょう。

青色申告は、課税所得が38万円未満でもできます。

青色申告は、赤字を3年間繰り越しできるのです。

例えば、白色申告の人は、1年目は30万円の赤字、2年目は48万円黒字だった場合、2年目に10万円の課税所得となりますが、青色申

告なら赤字を繰り越せるので、2年目も基礎控除未満の課税所得ですから、課税所得ゼロです。

つまり、青色申告なら、2年とも報酬の源泉徴収を全額還付されるというわけです。

このように、青色申告の方が断然お得なのです。

ただし、青色申告には消費税や事業税がかかります。

でも、これらも白色申告で源泉全額還付を狙っているような人の場合は、消費税も事業税もかかりません。

消費税は、課税所得にかかる程度の金額で、事業税は290万未満の課税所得の人は免除対象となるからです。

源泉還付なんて初めから眼中にないほど、事業収入が大きい人は、迷うことなく青色申告をお勧めします。

ただし、青色申告には、個人事業税や消費税の納付が義務づけられていますので、青色申告特別控除が大きい方が節税対策効果も大きくなります。

複式簿記を勉強して65万円の青色申告特別控除を受けられるよう申請しましょう。

先にも申し上げましたが、全くの経理の素人でも、ちょっと勉強すれば複式簿記は可能なのです。

経理のことに全くの素人の筆者も、経理ソフトを活用すれば、青色申告で確定申告が簡単に行えました。

もちろん、経理ソフトの購入も経費として計上できます。

(2)屋号をつけたい人は青色申告の開業届でOK?

仕事の挨拶の時の名刺交換をする際に、自分の名刺に会社名(屋号)が入っていると、「一国一城の主」という事業主感が味わえます。

しかし、名刺に屋号を入れたい人は、契約後の請求書の振込先の口座だけ、個人名義というのは、あまりカッコイイものではありません。
名刺に会社名がついているなら、振込先名義にも会社名を入れたいものです。

そこで、仕事用の金融機関の専用口座に会社名を入れるにはどうしたらよいのでしょう。

金融機関によってさまざまですが、だいたい青色申告の開業届があれば会社名を入れて貰えます。

金融機関によって、手続きの仕方はさまざまなので、メインバンクを決める場合、必要書類をメインバンクに問い合わせてみることをお勧めします。

「将来もしも法人登録することがあっても、今のまま屋号を使い続けたい」という理由だけなら、敢えて屋号登録をする必要はありません。

「同じ住所・同じ名前の会社」が既に先に登録されていた場合にのみ、法務局に登録できないことがあります。

しかし、屋号が同じ名前はあっても、住所が異なれば法務局に登録できるのですから、「絶対ない」とは言いませんが、住所も名前も同じなんて事は滅多にある事はありませんので、あまり心配はいりません。

しかし、屋号に特別な思い入れがあって、法人化したときにその屋号をそのまま使いたい人は、自分の会社名(屋号)を守るためにも、多少お金はかかりますが、念のために会社名を法務局に商号登録しておくのも良いでしょう。

これは筆者の個人的感想かもしれませんが、法人登録したとき、気分的にも事業主感が大きくなって嬉しさで満たされました。

4、完全網羅!個人事業主になるために必要な届け出&手続きの流れ

qimono / Pixabay

(1)必要な書類

・個人事業の開業・廃業等届出書
・所得税の青色申告承認申請書
・事業専用の金融機関の通帳(申請者名義のもの)

従業員を雇わない独りっきりで仕事をしている個人事業主は、これだけでいいのです。

もしも従業員を雇う場合は以下の書類が必要です。

青色申告承認申請書と開業届は、下記国税庁のホームページからダウンロードできます。

・個人事業の開業・廃業等届出書(PDF)
・所得税の青色申告承認申請書(PDF)

手書きでも良いし、パソコン記入でも、どちらでも可能です。

(2)手続きの流れ

開業届出

事業の開業した日から1ヶ月以内が手続きの期間です。

「個人事業の開業届出・廃業届」に必要事項を記入して提出です。

国税庁のHPから届け出用紙をダウンロードして、パソコンでそのまま記入して印刷するか、印刷して手書きで記入するか2種類の方法が可能です。

記入の際、事務所の住所が自宅開業の場合、事業所の住所には自宅の住所を書きましょう。

屋号については、会社名をつけたいなら、屋号の記入欄に会社名を入れておきましょう。

先にも解説しましたが、この屋号には法務局の登録は必須ではありません。

そして、屋号は空欄でも大丈夫です。

ここに会社名を入れた場合、メイン口座の名義人にあなたの名前と一緒に会社名を入れる事ができます。

ただし、金融機関によってはできないところもあります。

手続きの方法もそれぞれですから、税務署に開業届を提出する前には、メインバンクにしたい金融機関に確認が必要です。

提出方法は、事務所の住所地管轄の税務署の窓口に持参するか、郵送するようにしましょう。

持参の場合は、税務署の窓尾口は平日8時半~17時までですが、窓口の時間外や閉庁日である土日祝等の場合は、時間外収受箱が税務署の入り口付近に設置されていますので、その収受箱に提出することも可能です。

詳しい設置場所は、管轄税務署に問い合わせましょう。

また、開業したい日から青色申告をしたい場合は、一緒に提出することをお勧めします。

青色申告の提出期限に間に合わなかった場合は、開業しても青色申告は、開業した年からではなく、翌年からとなるからです。

一旦青色申告を始めたら、事務所の廃止・移転等の場合も手続きが必要です。

また、開業届を2部作成しておけば、控えをもらう事もできます。

時間外収受箱や郵送の場合も、2部作成した開業届と切手を貼った返信用封筒を入れておけば、控えを送り返して貰えます。

その他必要書類は、身分証明書やマイナンバカードです。

窓口持参の場合は、印鑑を持っていくと印鑑の押し忘れや訂正があった場合に便利です。

郵送や収受箱投函の場合は、不備があった場合は送り返されることもありますので、期限に余裕を持って郵送・投函をしましょう。

青色申告承認申請書

1月1日~1月15日までに改行した場合は、提出期限は開業した年の3月15日までで、1月16日~12月31までに開業の場合は、開業した日から2ヶ月以内が提出期限です。

この提出期限を過ぎてしまうと、青色申告が希望した年の翌年からとなってしまいます。
この提出期限は絶対厳守ですから、窓口でなく郵送等で行う場合は、書類に不備があった場合のために、余裕を持って書類を送っておきましょう。

青色申告承認申請書も、控え分を2部作成しておきましょう。

「青色申告承認申請書」をダウンロードしたら、その書面にパソコンで記入して印刷することも可能です。

もちろん、印刷してから手書きで記入も可能です。

屋号は、開業届と同じ名前で記入します。

開業届で屋号を書かなかった人は、空欄で良いのです。

もしも書き方がわからない場合は、事務所住所地の管轄窓口に出向いて、教えてもらいながら記入することもできます。

窓口に出向いた場合は、不備があれば指摘してもらえて、その場で書加えたり、修正印を押して書き直したりできます。

そして、それをコピーしてもらえば、税務署のハンコを両方に押してもらえます。

しかし、コピー代を請求される場合もあります。

その他必要書類は、身分証明書です。

窓口に行くなら、訂正印や印鑑の押し忘れの場合もあるので、念のため印鑑を持っていきましょう。

このとき使った印鑑は、今後青色申告の時にずっと使う印鑑です。

【参考】
・国税庁:申告所得税関係 個人事業の開業届出・廃業届出等手続
・国税庁:申告所得税関係 所得税の青色申告承認申請手続

5、個人事業主になるメリット・デメリット

geralt / Pixabay

(1)個人事業主のメリット

個人事業主は、法人に比べて断然簡単です。

先にも解説しましたが、青色申告で開業の届けを出すだけで、名刺に会社名をつけて名乗れますし、メインバンクの口座の名義に会社名も入れる事ができます。

法務局に商号登録義務もありませんし、資本金ゼロで開業できますし、廃業も休業も青色申告の手続きだけで済みますので、気軽に始められます。

個人事業主ですから、利益が低迷して債務が大きくなるようなら、簡単に廃業できます。

青色申告の廃業届を税務署に提出すれば良いのです。

個人事業主として青色申告を認められたら、青色申告による税法上のメリットを受けることができます。

1年ほど前に青色申告を辞めたばかり等の特別な事情がない限り、一般的に簡単に承認されます。

売上げを黒字に保つために、勤労所得や雑所得を一緒に申告することも可能です。

扶養の身分は「総所得103万円の壁」、社会保険の被扶養被保険者の身分は「収入要件130万円の壁」を維持すれば、その身分のままでいられます。

(2)個人事業主のデメリット

個人事業主となった場合、青色申告をするための複式簿記等のさまざまな手間がかかってしまうことが一番のデメリットかもしれません。

また、一定の収入を超えると、まず扶養から外れ、次に社会保険の被保険者からも外れてしまいますので、国民保険似も加入が必要になります。

また、個人事業主は雇用保険や労災に加入できないので、まず廃業しても失業保険の給付を受けることができません。

また、労災の適用もないので、仕事中に怪我をしたり、仕事が原因で病気になっても全て自己責任です。

顧客とトラブルが生じた時に賠償責任を負うこともあります。

このようなあらゆるリスクに対して、自己責任となりますので、賠償責任保険や医療保険等にも加入して、何が起っても十分な対処ができるように準備が必要です。

また、契約書を交わしたり、秘密保持契約をしたりすることもありますので、ある程度の法的な知識も必要となります。

中途半端な契約書は、トラブルを引き受けてしまうことにもなりかねないのです。

請求書・領収証等の作成も必須です。

個人事業主は、廃業したときに債務があった場合は、倒産後、破産手続きをしない限り、その債務の弁済を全額引き受けることとなります。

個人事業主になると、収入を得られるメリットの代償として、このようなさまざまなリスクを背負い込む覚悟と用心が必要なのです。

また、学生時代の時間は限られていますので、勉強と仕事の両立が難しくなることもあります。

学生は、授業や試験のための勉強もしないといけませんので、その合間に個人事業主となって仕事をして、日々帳簿の整理をして、確定申告までしなければならないのです。

学業と仕事の両立のために、過剰労働を自ら進んでしているようなものです。

授業に出て、その後勉強と仕事ですから、睡眠不足で健康に悪影響を及ぼしてしまうこともあります。

さらに、仕事に夢中になりすぎて、勉強が疎かになって、留年をしてしまうこともあります。

とにかく、個人事業主は、営業も仕事も経理も何もかも独りでしなくてはなりません。

6,個人事業主になったら確定申告を忘れずに

stevepb / Pixabay

個人事業主になった場合は、面倒でも確定申告を忘れないようにしましょう。

青色申告をしているということは、青色申告特別控除や赤字の繰り越しといったメリットを受けられる代わりに、その分税務署のチェックも厳しくなるということを自覚しましょう。

真面目に帳簿をつけ、領収書を整理して、経理上のことや毎年の確定申告はしっかりしておく義務があります。

そうでないと、いきなり税務署の人がやってきて、帳簿やパソコンのチェックをされて、貯金通帳等を全て調べられます。

その結果、罰金と追加徴収税と利息を全て払っていたら、本来の税金の数倍になってしまうこともあるのです。

間違ったら素直に修正申告をして、毎年真面目な経理で、毎年正直に確定申告を行うのが一番の節税となるのです。

7,小括

Engin_Akyurt / Pixabay

いかがでしたか?

学生時代に個人事業主になってお金を稼ぐことを覚えてしまったら、自分の能力を過信したり、勉強が疎かになったりしてしまいがちです。

しかし、学生はまだまだ「人」としては未熟です。

人生たかだか20年なのです。

平均寿命が80歳を超えてしまっている高齢化社会の日本では、学生の人生経験なんて、まだまだひよっこです。

しかし、若いけれども一番活き活きした時代で、一人前になった気分で、様々な事に興味がわき、実行する勇気も勢いもあり、アイデアあふれ出る時代かもしれません。

だからこそ、未熟な自分を自覚して謙虚な気持ちで、勉学にも勤しみ、真面目に事業を営むことは案外難しいことなのです。

また、仕事が面白くなって大学を休学したり退学してしまう人もいるようですが、将来的に長い目で見たとき、大学(専門学校・短大を含む)は卒業しておいた方が経歴的に得をすることが多いです。

学生で事業に成功した人は、大学なんて関係ないといいます。

個人事業主として上手くいっている時ばかりではありません。

もしも個人事業主として失敗して就職を考えるような時がきた場合、大学等は卒業しておいた方が将来の選択肢が広がります。

少なくとも、難関資格を取得しようとした場合、受験資格に学歴がある事も多く、学歴に替える受験資格の実務経験というのは、越波が困難で時間がかかります。

その分選択肢が狭まります。

だから、学生は仕事がどんなに成功しても、勉強を放棄せずにしっかりと卒業だけはしておきましょう。

以下は筆者の個人的見解ですが、事業主として10年以上のキャリアと経験から次のことがいえると思っています。

学生時代、そして社会人になって20代から30代で学んだことが40代以上のあなたの人生を豊かなものにするかどうかを決めます。

仕事にも人生にも成功して幸せになるためには、学生時代はまだまだ修業時代です。

自分が未熟なことを自覚すれば、様々な事に謙虚になり、確定申告も経営上必要な法律もビジネスマナーも全てに於いて丁寧な生き方ができるのです。

学生の個人事業主は、そうした意味での、貴重な経験となると思います。

学生としての本分と、個人事業主の両立は難しいでしょうが、がんばって下さいね。

8,まとめ

【個人事業主になるには青色申告を始めよう】

・ 個人事業主になるには、青色申告の複式簿記が重要である。
・ 個人事業主のなり方は青色申告の手続きだけでも可能。
・ 青色申告の開業届で、会社名と氏名の口座が解説できる。(ただし手続きの必要書類は金融機関によって異なるので問い合わせが必要)
・ 会社名(屋号)を保護したいなら、商号登録を法務局に登録することも可能。
・ 一定の収入を超えると親の扶養から外れ、社会保険の扶養からも外れ、最終的には個人事業税まで支払わないといけなくなる。

103万円の壁、130万円の壁は、総収入だ。

個人事業主になると収入も責任もアップして充実できるが、その分さまざまなリスクを背負う。

面倒な手続きとしては、複式簿記の青色申告がある。

しかし、これらのリスクや面倒な手間や出費は、あなたが個人事業主として躍進するための優遇手続きなのだ。