出版業界への就職をお考えの法学部生のみなさまへ

出版産業は1997年をピークに年々縮小しており、出版不況と言われる状況が今もなお続いています。

しかし、本作りに興味がある人たちにとっては依然として大人気の業界でもあります。

この記事では、出版業界への就職をお考えの法学部生のみなさま向けに、法学部生と出版業界や、関連する資格についてご説明いたします。

【法学部生の出版業界就活①】法学部生は出版業界に有利

冒頭に述べたような出版不況により、出版社としても新卒を雇う余裕がなくなってきています。2016年では、集英社、講談社、小学館の3社を合わせても、採用人数はたった43人にすぎませんでした。採用は狭き門で、より少数精鋭にならざるをえないのです。

このような出版業界への就職は、やはり文学部のほうが有利ではないか、とお考えのみなさんは多いと思います。

たしかに、文学作品についての知識や、文学的な表現での文章力では文学部生のほうに一日の長があることは認めざるえを得ません。

しかし、法学部生のほうがより世間一般の幅広い知識があり、主観を排し、事実を客観的論理的に述べる文章力は優っているといえます。作家でなければ、これらの実学向きの能力のほうが重宝されるのです。

いわゆる偏差値を基準に考えたとき、多くの大学で法学部は文系で最上位の学部です。出版業界は実力主義であり、より優秀な人材を求めています

企画を提案するには、文学作品だけでなく、幅広い教養が必要です。いわゆる法曹の方々のように、短時間で大量に読む能力も必要です。

例えば、月刊誌の編集の現場は猛烈に忙しいです。週刊誌では言わずもがなです。そんな現場ではさまざまな業務を迅速にこなしていく高い能力が死活的に重要です。

【法学部生の出版業界就活②】とくに法律知識が求められる仕事

出版社の仕事のなかで法律知識が生かせるのは、作家との契約、権利(著作権など)の管理であることが多いでしょう。基本的、日常的な業務として、当然身に着けておかなければなりません。

また、今日の出版不況の元凶ともいえる海賊版のアップロードの問題があります。これにより、特にマンガやマンガ雑誌は壊滅的な影響を受けています。このようなとき、自社の出版物などの知的財産権を守るため、何らかの対応をしなければならないこともあるでしょう。法律知識があれば、弁理士や弁護士とのやりとりがスムーズになります。

電子書籍の出版などマルチメディア展開をすすめている出版社にとって、このようなネットと法律のからむ部分で、法学部出身の社員に期待するところは大きいでしょう。

【法学部生の出版業界就活③】出版業界で役立つ資格・検定

出版業界に就職する際に、取得しておくと役立つ資格・検定などをご紹介します。

未経験者が採用試験で本気度をアピールするのにプラスになる可能性もあるので、次の資格は取得しておいても損はないでしょう。

資格や検定にかぎらず、新聞を毎日読んだり、さまざまなジャンルの本や雑誌などをとにかくたくさん読んだりしておくと、きっと役に立つでしょう。

DTPエキスパート認証試験

DTP(Desktop Publishing)とは、原稿作成や編集やデザインなどの作業をすべてパソコン上で行い、作成したデータを印刷会社へ入稿して出版まで行う方法です。

「DTP」、「色」、「印刷技術」、「情報システム」、「コミュニケーション」の関連知識を習得した、印刷物のエキスパート人材を認証します。

校正技能検定

校正は、出版物の内容を原稿と照らし合わせたり、写真やイラストが正しくかつ適切に使用されているかなどを確認したりして、書籍や雑誌の内容を正確で不備のないものに仕上げる仕事です。

実務未経験では入りづらい出版界への足がかりとして、また身につけた技能をアピールしてさらなるキャリアアップをはかる、などに役立ちます。

書籍製作技能検定

書籍の編集実務に必要な知識や技能を認定する試験です。

現在、日本エディタースクールの所定のコース修了者と、出版社、編集プロダクション、広報誌などの実務経験者を対象に、4級試験のみ実施されています。

漢字検定

外国語を使う場合もあるでしょうが、日本語を使う場面のほうが多いでしょう。漢字が読めなかったり意味がわからなかったりすると、仕事になりません。できるだけ上位の級を取得できるようにがんばりましょう。

運転免許

出版関係の営業は、紙見本や見本誌などの重く嵩張る資料を持ち歩く機会が多いです。機密資料が含まれる場合もありますので、電車に乗るよりは社用車を使うほうが何かと便利です。

パソコンスキル

編集者やクリエイティブディレクター、デザイナーなどの場合、パソコンはMacを使用していることが多いです。Adobe社のInDesign、Illustrator、PhotoShopなどのソフトを扱えると、即戦力として重宝されます。

営業、事務など一般職の場合は、パソコンはWindowsを使用していることが多いです。Microsoft社のWord、Excel、PowerPointの基本的な操作ができるとよいでしょう。