ポイ捨ては実は違法だった!ポイ捨てに関する法律と罰金について

日本の夏の風物詩である花火大会。そののニュースで必ず問題として取り上げられている「ゴミ問題」ですが、毎年たくさんの人出があるイベントなどではゴミのポイ捨てはなかなかなくならないのが実情です。
花火大会を楽しんだ後、自分たちが食べた食べ物の容器や、お酒・ジュースの缶やペットボトル、そして花火を観覧するために敷いていたブルーシートなどのゴミを持ち帰ることなくポイ捨てしてしまうのです。

大規模な花火大会などでは必ずゴミの収集場がいたるところにあり、花火を見に来た人が必ずその場所にゴミを捨ててくれれば問題ないのですが、自分が座っていた周辺にゴミをそのまま置いて帰ってしまったり、近くの草むらに放り投げるようなポイ捨てはいまだになくなることがありません。
ゴミ箱マップが設置してあってもそこまで歩いてゴミを捨てにいくという効果はあまりないようです。

また、花火大会の会場から最寄りの駅に向かう途中の路上、住宅の敷地内、駅構内などにもポイ捨てゴミが散乱してしまっています。

地元や有志のボランティアが大会の夜や翌朝に一生懸命掃除をしてくれるものの、地元住民はこの状況に大変迷惑しています。地元イベントが地域活性化に繋がるのは嬉しいとしながらも、こういったゴミのポイ捨て問題が街の景観を損ねてイメージダウンにもなってしまうため頭を抱えているのが現実です。
先日大きなニュースになった渋谷のハロウィンも、暴徒問題と同時にゴミのポイ捨て問題も大きく取り上げられています。

このように大変迷惑なゴミのポイ捨てをした場合、警察に逮捕されたり処罰されたりすることはないのでしょうか?
有罪の場合はどのような罪に問われてしまうのかがとても気になるところです。

本記事では、ゴミのポイ捨てをした場合にどのような法律が適用されるのか、またどのような罰則があるのかを詳しく解説していきます。

1、ポイ捨ては違法です。

実はポイ捨てはれっきとした「犯罪」です。
ゴミをむやみに捨てることは国が定めている法律に違反する行為で、処罰の対象となります。

例えば、自分が噛んでいたガムを地面に吐き出すという行為もNG!立派なポイ捨てにあたり、犯罪行為になります。
また、冒頭でお話しした花火大会を河川敷で見た帰りに、みんなで飲んだお酒の空き缶や食べ物の空容器などをその辺に捨ててしまったとします。近くにゴミ箱がな買ったため、「その辺に捨ててしまうのも仕方ない。他の人もみんな捨てているし。」と思うかもしれません。しかし、もしポイ捨てをしている現場を警察に見つかった場合などは現行犯で逮捕されてしまうこともありえるのです。

ご自身も経験はありませんか?
本当はポイ捨てなどしたくないものの、どうしてもゴミ箱が近くになくて、仕方なくその辺にこっそりと捨てて帰ったという経験は少なからずあると思います。
実際にはポイ捨ての行為を目撃されて警察に逮捕され、で有罪になってしまったというケースはほとんどないのですが、その行為は紛れもない法律違反です。

今まで前例がなかっただけで、状況によっては警察に逮捕されることも十分にありえますので、今後はそのようなポイ捨て行為をしないように自分を戒めましょう。

1-2、ポイ捨ての連鎖反応

花火大会などのように多くの人が集まるようなイベントに限らず、誰かが最初にゴミのポイ捨てをしてしまうことによって、連鎖的にその場所にゴミが捨てられてしまう傾向があります。

清掃のボランティアの方は、まず最初のゴミがきっかけを作らないように気をつけてゴミ拾いをしているそうです。ある1箇所のポイ捨てゴミを見逃してしまったことによって、次回掃除に来た際にその周辺にたくさんのゴミが集まってしまったということがよくあるということでした。

具体例を挙げると、幹線道路のガード下にある大きな交差点で、網状でできた柵の隙間に空き缶やペットボトルがいくつも刺さっているのを見たことがあると思います。
この空き缶、よくよく見てみると全てが「トラックの窓の高さ」で揃えられたように刺さっています。これは誰か一人のトラック運転手が信号待ちをしている最中に空き缶を刺してしまったのをきっかけにして、次から次へと真似をするように空き缶を刺していくトラックドライバーが現れたというケースです。

このように、きれいな場所にはゴミをポイ捨てしないのに、誰かが1個ゴミを捨ててしまうとその場所がゴミ捨て場のようになってしまうのです。

2、ポイ捨てを規制している法律って?

現在日本では、ポイ捨てを規制している法律は以下の4種類があります。

1. 廃棄物の処理及び清掃に関する法律
2. 軽犯罪法
3. 道路交通法
4. 河川法施行令

聞き覚えのある法律から、初めて聞く法律まであると思います。

1の廃棄物の処理及び清掃に関する法律の罰則は「5年以下の懲役または1000万円以下の罰金」となっています。誰であっても廃棄物を捨てることによってこの刑罰が適用されます。
具体的に明文化されている訳ではないのですが、この廃棄物というのは 廃棄物処理法「ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物又は不要物」を指していて、手元の小さなゴミは含まれていないことが多いです。これは「限定解釈」と言い、タバコの吸い殻のポイ捨てが5年以下の懲役または1000万円以下の罰金となっては、違反行為と刑罰が釣り合わないことから刑罰対象となる行為を限定して解釈しようという考え方に基づいています。

2の軽犯罪法の罰則は「刑事施設への拘置1日以上30日未満、罰金1000円以上10000円未満」です。タバコのポイ捨てやペットボトルのポイ捨てに関しては、この軽犯罪法が適用されて、1の廃棄物の処理及び清掃に関する法律の項で解説した一般的な廃棄物との罰則を「対象となる行為」によって分けています。

3の道路交通法の罰則は「5万円以下の罰金」です。先ほどの「ポイ捨ての連鎖反応」の項目でご紹介しました、道路横の柵に空き缶やペットボトルなどを刺すことはこちらにあたります。つまり同じ空き缶やペットボトルでも、歩きながらのポイ捨てと車を運転しながらのポイ捨てでは適用される法律と罰則も違い、刑罰の重さも変わってくるのです。

4の河川法施行令の罰則は「3カ月以下の懲役または20万円以下の罰金」です。こちらも道路交通法と同じように、ポイ捨てが行われた場所が関係してきます。河川はゴミのポイ捨てをすることで川の下流の環境に大きな影響をもたらすために別途罰則を設けています。

もしゴミのポイ捨てなどの違反行為が上記の複数の法律に該当するというような場合である場合は、すべての刑罰が一つ一つ追加されていくというわけではなく、その中の「最も重たい刑罰」が適用されることになります。

2ー1、ポイ捨てされたゴミってどうなるの?

ポイ捨てされたゴミはその後、どのように処理されているのでしょうか。
基本的には自治体の清掃員の方や、地元ボランティア、住民の方などが定期的に清掃をしてくれています。

海岸などでは漂着物が集まってくるため、毎年15万トンほどのゴミが回収されていますが、そのほとんどがポイ捨てによるものです。
海外からの漂流ゴミも数パーセントの割合でありますが、ほとんどが国内のポイ捨てが原因になっています。

これらのポイ捨てゴミは、ゴミを回収した自治体の予算を使って処理されていますが、その数は年々減ることなく、むしろ増えていっています。

3、ポイ捨てを防止するために行われていること

地域ボランティアは町をきれいにするためにゴミの清掃も行ったりしています。このボランティアが清掃活動をすることによって、ゴミのポイ捨ての抑止につながっているケースは多いようです。
目の前で掃除をしているところにゴミをポイ捨てするという非道な人間はあまりいないということの表れになります。

ただ残念なのは、ポイ捨てが抑制されるのは清掃ボランティアが掃除をする日のみで、そのほかの日に関してはいつも通りポイ捨てが発生してしまうとのことです。
そのため、地方自治体によっては「パトロール」でポイ捨て防止策を立てているところもあり、神奈川県の藤沢市などで実施されています。
ただ、そのようなパトロールを行うだけでは管理しきれておらず、まだまだまちが本当に綺麗になるためにはまだまだ沢山の課題があります。

どうしてもゴミが発生してしまう「飲料水の自動販売機」に関しても、販売機の周辺に回収容器の設置を義務付けている自治体もあります。飲料水のペットボトルは持ち運ぶのに底辺便利なものなのですが、飲み終わるとただのゴミと化してしまいます。自販機に必ずペットボトル回収のボックスが設置されるようになれば、手持ちのペットボトルをポイ捨てすることなく、自販機を探すという行為につながり、ポイ捨て抑制につながっていき、大変合理的な施策です。

ゴミのポイ捨て対策として、罰金や罰則、自治体の条例や、ゴミを捨てないようにするコメントが記載された看板の提供をしている自治体もあります。
自分がゴミのポイ捨てで困っているなどの場合は、看板を無料で提供してくれる自治体もあります。各自治体に問い合わせてみてください。

3-1、最近は防犯カメラによる「逮捕事例」も

一昔前まではゴミのポイ捨てをしても誰にも見られることがないということがありましたが、現代は防犯カメラが発達して、町のいたるところでカメラ設置されるようになりました。
もともとポイ捨てという行為は「誰も見ていないからいいだろう」という心理が働いて行なってしまうものですが、今は色々な動きが監視されている時代です。このことが良いのか悪いのかはここでは取り上げませんが、何か犯罪が起きた時の重大な証拠としては大変大きな役割を果たしています。
タバコの吸い殻をゴミ箱に捨てて、火がゴミに引火して火災が発生した場合、防犯カメラの映像をもとに犯人を割り出すことができ、その映像は動かぬ証拠となります。
ただの吸い殻のポイ捨てのつもりが、故意でなかったとしても結果的に火事になってしまったということで失火罪に問われてしまうのです。

このような犯罪後の証拠として重要な一方、防犯カメラで見られているということによるポイ捨ての抑止力にもつながっています。
人間は見られているとズルをしない生き物ですので、監視していることがポイ捨てのような小さな犯罪を減らしているという一定の効果があります。

3-2、海外では、高額罰金などを請求される場合も!

日本はもちろん、海外では日本よりもさらにポイ捨てに厳しい国があります。
ポイ捨てに厳しいので有名な国はシンガポールです。
シンガポールは街の景観を保つ目的からゴミのポイ捨てには大変厳しい国で、ガムの持ち込みが禁止されていたり、ポイ捨ての罰金が初犯で最高1,000ドル(日本円でおよそ65,000円)、再犯の場合最高2,000ドル(日本円でおよそ130,000円)という大変高額な罰金と、街の清掃作業を行わなければならないなどの罰則が設けられています。

シンガポールのポイ捨ての事例として、タバコを路上に捨ててたことによって、185万円という高額の罰金を言い渡されたという例があります。
シンガポール在住の男性は、自宅のアパートの窓から頻繁にタバコの吸殻を投げ捨てていたそうですが、このポイ捨て行為はシンガポールの環境省が設置していた防犯カメラに全て収められておりました。
ポイ捨て回数も30回以上と特定されており、映像という動かぬ証拠を見せられた男性はおとなしく観念しました。ただ実際には、185万円の罰金を支払ったわけではなく、町を5時間清掃するという罰則を実行することによってお許しを得たそうです。

香港ではポイ捨てした場合の罰則は、民間の衛生局員に見られた場合1500香港ドル(日本円でおよそ20,000円)の罰金があり、逮捕などの刑罰は特に設けられていません。
ただ、香港ではあまりにもポイ捨てが多いので、ゴミに付着しているDNAを鑑定してそこからポイ捨てをした犯人の顔写真を作成して指名手配します…というキャンペーンを行なってポイ捨ての抑止を行なっているようです。採集したポイ捨てゴミを専用のツールで分析すると、DNA情報から人物の目、髪の毛、肌の色、輪郭などの外観を3Dのデータとして再現できるそうです。

このように世界各国でポイ捨てに対する対策がさまざま行われています。
日本では見つからなければおとがめがないからといって、海外でも同じ感覚でポイ捨てを行なってしまうと思わぬ刑罰を受けてしまって、せっかくの楽しい海外旅行が台無しになってしまうので気をつけましょう。

3-3、ポイ捨てが環境に及ぼす害とは?

もし万が一、ポイ捨てをした現場を警察に見られず、刑罰に問われなかったとしても、ポイ捨てしたゴミはその後「環境破壊」という悪影響を及ぼします。

例えばタバコです。タバコの吸殻は数あるゴミの中で最も厄介なポイ捨てゴミと言われています。
道路に捨てられたタバコの吸殻は、雨や風に流されて道路の排水口に流れ込み、バラバラになってその後川や海などに流れ込みます。タバコは水に溶けにくいので、タバコに含まれているニコチンやタールとともに自然環境に害をもたらします。灰皿の中に溜まった水がものすごい茶色の水になっていて、悪臭を放っていることがありますが、それが自然界で起こってしまっているのです。

次に、スーパーやコンビニエンスストアのビニール袋。ビニール袋は軽くて風に舞いやすいために、自分が捨てた場所からかなり遠くまで移動します。土にも帰らず、水にも解けることがないため、これを鳥や動物などが誤って食べてしまうというニュースは数多く報道されています。最近は燃やしてもダイオキシンが発生しないというレジ袋もありますが、そのまま捨ててしまうことは生物にも悪影響があります。

また、コンビニ弁当などを食べ残しごと容器を捨てることによって、夏場などは食品が腐って悪臭を放ち、虫が湧いてしまうなど衛生的にも大変な悪影響を及ぼしてしまうのです。そこから伝染病などが発生する可能性もあります。そしてその容器は決して自然に帰ることはありません。

あなたが捨てるゴミはほんの小さなものであっても、そのポイ捨てゴミがやがて地球環境の破壊につながっていくということを常に意識することが必要です。

3-4、ポイ捨てが引き起こしたトラブル

ポイ捨ては、時に思わぬトラブルを引き起こします。法に裁かれることがなくとも、ポイ捨ての現場を見た正義感の強い人が注意することによって、口論・暴行などに発展してしまうケースです。
以下に実例を交えながらご紹介いたします。

2016年4月、兵庫県で75歳の男性が、たばこのポイ捨てを小学1年の男児に注意されたことに腹を立てて男児の首を絞め、暴行罪で逮捕されています。
「ポイ捨てを注意されてかっとなった」とのことですが、自分が悪いことをしていたのを棚に上げて注意した子供に暴行を加えてしまうというトラブルが起きています。

また今年の5月には、大阪市内でタクシーの窓からタバコの吸殻をポイ捨てをしたタクシー運転手に対して通りがかりの男性が注意したところ、口論に発展した挙句にタクシーを急発車させて男性を引きずり、けがを負わせたという事件も起こっています。

ゴミのポイ捨ては法律でも禁止されており、ポイ捨てをする人間が100パーセント悪いのですが、それを注意されていわゆる「逆ギレ」をする人間が多いのも事実です。
自分自身が悪いことをしていて後ろめたい気持ちがあるがゆえにカッとなってしまうケースや、そもそもポイ捨てに罪の意識がないために、注意されたことが単純に喧嘩を売られてしまったかのような感覚になってしまう人まで、そのモラルの程度は様々あります。

4、小括

このようにゴミのポイ捨ては法律で罰せられ、自然環境破壊にもつながり、さらに傷害事件になる可能性もあるため、何一つとしてメリットはありません。
気軽な気持ちで手元のゴミをポイ捨てすることは自分の将来にも迷惑をかけ、つまりは家族にも迷惑をかけ、そしてゴミを捨てた街の人にも迷惑をかけることになります。
自分が住んでいないから関係ないという気持ちにならず、もしここが自分の庭だったらと考えるようにしましょう。
ゴミが荷物になり、邪魔で早く捨ててしまいたい気持ちはよく分かりますが、ぜひ頑張ってゴミ箱のある場所まで持ち歩き、そして「楽しい思い出をありがとう」という気持ちできちんとゴミ箱に入れるようにしましょう。

5、ゴミのポイ捨てに関するまとめ

・ゴミのポイ捨ては法律違反で、破れば犯罪者
・ポイ捨てゴミは、何の罪もない地元の人がきれいに掃除している
・ポイ捨てたゴミが、何の罪もない動物や自然をいじめている
・ゴミには思い出がたくさん。感謝をして素敵なお別れを