知らないところで法違反しているかも?写真にまつわる法律を紹介!

「あ、この写真〇〇いい顔してるし面白いから勝手にアップしちゃお!」
「偶然街で撮った写真。この人おしゃれだな…インスタにあげよ」

普段何気なくSNSに他人の写真をアップしたりしてませんか?

たまたま撮れた面白い写真、偶然写った他人。実は当人の許可なく写真をネット上にアップしたりすることは肖像権や著作権、プライバシー権といった個人の権利を侵しているかもれません。

この記事ではそのような写真を取り巻く権利とどのような場合に権利を侵害したことになるのか。過去の判例と共に解説していきます。

1、知らないところで法律違反してませんか?

Ramdlon / Pixabay

「友達の写真をネットにアップしたら犯罪!?」
「街で撮った写真なんてみんなあげてるじゃないか!」

そう思った方も多いのではないでしょうか。
確かに最近はスマートフォンのカメラ機能も格段に良くなってSNS上ではプロのカメラマンだけではなく素人でも何万人とフォロワーのいる人も多くなってきました。

そしてそういった人たちは平然と街の風景を「作品」としてアップしています。
犯罪だ!と騒ぎ立てる人もいなければ、むしろ多くの人から賞賛されています。

犯罪になるものとそうでないもの、その違いはなんなのでしょう。
ここから実際に私たちが普段の生活で写真を撮ったりSNSで公開するときにうっかり侵害してしまうかもしれない

・肖像権
・著作権
・プライバシー権

この3つについて紹介していきます。

2、写真にまつわる法律①肖像権

robinsonk26 / Pixabay

2−1、肖像権とは?

そもそも肖像権とはどのような権利なのでしょうか。

肖像権とは容姿をみだりに撮影されないための権利です。

また肖像権には

・プライバシー権としての肖像権
・パブリシティ権としての肖像権

この2つが存在します。

2−2、どんな場合に肖像権侵害となるのか?

ではどんな時に肖像権侵害となってしまうのでしょう。
ポイントは先ほど肖像権について紹介した中の「撮影されないための権利」という部分。

肖像権とは他人から写真や動画撮影で無断に「撮られない」ための権利です。なのでSNS上にアップする・しないではなく映像として撮られたその瞬間に肖像権を侵害されたことになってしまいます。

「そんなこと言ってたらもう写真なんて撮れないじゃないか!」
「街中で写真を撮っている人はみんな犯罪者なの…?」

と不安になる人もいるでしょう。

そう、なので肖像権には例外がいくつか存在します。

具体的には3つ

・公共の場である
・承諾を得られている
・被害が少ない

以上を撮影された状況で総合的に判断し、いずれかまたは複数該当する場合は肖像権の侵害にはならないことがあります。

例えば大きな交差点を歩いているとしましょう。
当然あなたは多くの人に見られています。
もしこの場合撮影されたとしても、もともと誰にでも見られる場所であることから「保護する必要性は低い」と判断され通常であれば肖像権侵害には至らないケースがほとんどです。

2−3、肖像権に関する裁判事例

実際に肖像権をめぐる問題として有名な「ドルガバ事件」という判例があります。

これはあるAさんがたまたま街を歩いていたBさんを撮影し、それをネットにアップしたところBさんの服のデザインをきっかけに予想を超えるほどネット上で拡散されてしまいました。

友人から自分の写真がネット上で公開されていることを知ったBさんが提訴に至ったという事件。

結果、肖像権の侵害は肯定されました。

「ドルガバ事件」の場合、Bさんは行動を歩いていたところを撮影されたので先ほど説明した「肖像権侵害の例外」に当てはまりそうですがこの場合は明らかにBさんに焦点があっていたことやネットで拡散されて社会的な評価に悪影響を及ぼしたことから肖像権侵害が認められました。

3、写真にまつわる法律②著作権

kalhh / Pixabay

3−1、著作権とは?

では著作権とはどのような権利なのでしょうか。
憲法にはこのように定められています。

著作権は無体財産権に含まれる知的財産権(知的所有権)の一部であり、無体物を創作した著者がそれを排他的に支配が出来る権利である。 ( 著作権法第17条第1項)

憲法ではこのように定められています。

つまり、著作権とは何かの表現として作品を創出した際に生じる権利を指します。

なのでSNSなどで「盛れるため」の加工をした写真も著作権になりうるということです。

3−2、どんな場合に著作権侵害となるのか?

では、著作権はどのような時に侵害されるのでしょうか。

著作権侵害に該当するのは著作者の許可なしに全部・または1部利用することをさします。

さらに許可された範囲を超えて利用することも著作権侵害に該当します。
つまり、誰かが工夫を凝らして撮影したものを無断で利用すると著作権の侵害になります。

先ほどの例に関連づけて説明するならば、インスタに「盛れる」写真をアップしたものを無断で転載してしまうだけでも著作権の侵害に当たる場合もあということになります。

3−3、著作権に関する裁判事例

著作権をめぐる判例は数多くありますが、ご当地キャラクターとして有名な「ひこにゃん」も著作権を巡って訴訟が起きていたことはご存知でしょうか。

通称「ひこにゃん事件」と呼ばれるこの判例は滋賀県彦根市がご当地キャラクターを公募で募集した際に選ばれた「ひこにゃん」の著作権を著作者から譲渡した後に原案者の意図しない設定を後付けしたことによる訴訟とその後の判決により分断された権利を巡った訴状の2種類が存在します。

ひこにゃんだけでなく、フリーサイトの写真やキャラクターを巡った訴訟は数多く存在します。

4、写真にまつわる法律③プライバシー権

qimono / Pixabay

4−1、プライバシー権とは?

プライバシー権とは、私生活上のことがらをみだりに公開されない権利といわれます。

プライバシー権は古いものではなく、もともと19世紀のアメリカにおいて「ひとりでいさせてもらう権利」としてはじまったとされています。

4−2、どんな場合にプライバシー権侵害となるのか?

肖像権が個人の容姿を許可なく撮影されただけで権利が侵害されたのに対して、プライバシー権は原則として「公開」されることで権利の侵害とみなします。

ある個人の情報、もしくは情報がまるで個人の私生活を想起させるかのような表現であってもいけません。

4−3、プライバシー権に関する裁判事例

日本で初めてプライバシー権を認めた判例として有名なのが「宴のあと事件」。
これは小説家である三島由紀夫がある政治家の私生活を暴露するような内容の本を執筆し販売したことを受け、モデルとなった政治家が精神的苦痛を感じたとし、損害賠償と謝罪広告を請求した事件です。

この作品ではモデルとなった政治家の名前こそ出ていませんでしたが、「あたかもその政治家であるかのような記述」が認められたのです。

5、自分で解決できないなら弁護士に相談しよう!

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写真ひとつ巡ってもさまざまな権利が複雑に絡み合っていることがわかっていただけたと思います。

私生活の中で自分が他人の権利を侵さないためにも知っておきたいところですが、もし自分が権利を侵害された場合はどうしたらいいのでしょう。

自分が相手に相談して削除してもらえるなら良いですが、こちらの要望にも応じてくれない。ひとりではどうしようもできない。

こうなったら弁護士に相談しましょう。気軽な相談をはじめることからオススメします。

6、小括

rawpixel / Pixabay

いかがだったでしょうか。

スマートフォンが普及し、カメラの性能も年々上がってきていることから、生活において「写真」というものはこれまで以上に身近なものになってきています。

一方で「写真」をめぐる法律や個人の権利はちょっとしたことで誰かの権利を侵しかねません。

もしかするとここまで読んでいただけた方のなかには「いや、もう迂闊に写真撮れないし、ネットにもアップできないじゃん…」と思っている人もいるかもしれません。

しかし、それほど難しく考えることはなく

・撮った写真がSNSで公開されることを撮られた人が承諾していること
・作品が悪意のあるものではないこと
・他人の作品を無断で使うのではなく「引用機能」を使うこと

これらを徹底すれば基本的には問題なく生活できます。
その結果、法律を守るだけでなく皆が楽しく生活することにつながるのです。

7、まとめ

・肖像権は「撮影される」だけでも肖像権侵害となりうる
・赤の他人を撮影する際は個人が特定できないよう心がける
・「盛れる」加工を施した写真にも著作権は認められる
・プライバシー権は「公開」することで侵害になる
・プライバシー権の侵害は個人情報のみならず、個人を特定させるかのような記述も含められる
・ひとりで解決できないときはまず弁護士に相談する