【就活生必読】経歴詐称は絶対にダメ!バレると懲戒解雇になることも

「ES(エントリシート)を盛るかどうか?」

就活生が活動の最初に直面する悩みかもしれません。

書類審査を通過し面接までたどり着くためには盛るしかない。

ばれないようにうまく盛れば大丈夫。

・・・でも、後でばれてしまったらどうなるのでしょうか?

この記事で経歴詐称について一緒に見ていきましょう。

1、そもそも経歴って何?

geralt / Pixabay

国語辞典では、経歴とは「今までに経験してきた仕事、身分、地位、学業などの事柄」とされます。

就職活動における経歴は、学歴、職歴、賞罰、の3つになります。

ES(エントリーシート)や履歴書には、学歴を記入します。

どの時点から学歴を記入するかについて、統一的な規則はありませんが、新卒の就活では「○○中学校卒業」から記入するのが一般的です。以降は、「○○入学」と「○○卒業(修了)」の両方を記入していきます。大学受験や資格取得の予備校は記入しません。

中途退学がある場合は「○○大学 中途退学」、在学中の大学に関しては「○○大学 卒業見込み」とします。

また、公務員や会社員などとして働いたことがあれば、職歴として記入したり、別に職務経歴書を作成したりします。

現在はほとんどなくなりましたが、賞罰の記入を求められることもあります。「賞」は受賞歴や表彰歴、「罰」は刑法犯罪の有罪歴です。

2、学生時代のアルバイトは職歴に入るのか?

FotografieLink / Pixabay

アルバイトやインターンの実績は、職歴として扱うのでしょうか。

一般に、新卒の就職活動で提出する履歴書の職歴欄には、アルバイトは記入しません。

正社員や契約社員などでの就業経験がなければ、職歴欄には「職歴なし」と記入すれば問題ありません。

インターンの経験も基本的には記入しませんが、業界や職種によって記入するかどうか判断が分かれます。特にデザインやクリエイティブなどの業界で長期間インターンした実績があれば、記入したほうがよい場合もあるようです。

もしアルバイトやインターンの実績を伝えたいなら、履歴書の自己PR欄や職務経歴書などに、アピール材料となる文章を添えて記入するとよいでしょう。

3、「盛る」と経歴詐称の違いとは?

qimono / Pixabay

昨今就活生の中で使用されるようになった「盛る」という言葉は、「エントリーシート通過のため、大なり小なり事実を脚色する」くらいの意味です。

就活は自分という人間を会社に売り込む競争ですから、自分をより良く見せるのは当然のことです。多少の脚色をしたり、自分に都合の良い観点のみ切り取るなどは、自己アピールのテクニックの範疇に収まることもあります。

しかし、嘘ではないが事実を過剰に偽ったり、ありもしない虚偽の事実を創作するのはいけません。それはもはや「盛る」を越え、経歴詐称といえます。わかりやすく言えば、それは単なる嘘つきです。

「盛る」と経歴詐称の境界線として、量的な面と質的な面の2つが考えられます。

量的とは、本当は挨拶程度しかできない英会話レベルなのに、ネイティブ並に自由自在にビジネス英会話ができますというような、程度に関する嘘です。

質的とは、英語しかできないのに、イタリア語もできますというような、完全に虚偽といえる嘘です。

数字のイメージで言えば、95を100にするくらいなら「盛り」ですが、5を100にしたり、ましてや0を100にしたりするのは詐称になり、アウトであるという感じです。

「盛る」典型例では、バイトリーダーやキャプテンや部長をやっていたとうのはよくあるそうです。また、ボランティア活動歴や留学歴を偽るパターンもあります。

これらの「盛り」は、ほとんどの面接官から眉唾で見られるそうですが、「盛り」過ぎれば経歴詐称に該当しかねません。

4、学歴詐称は必ずバレることになる

niekverlaan / Pixabay

経歴詐称の中でも、学歴詐称はまず間違いなくばれます。

会社側から大学の成績証明書や卒業(見込)証明書の提出を求められる場合がほとんどだからです。

このように客観的に確認可能な記録が存在する以上、学歴詐称は現実的に不可能です。

もしこれらの文書を偽造した場合は、国公立大学であれば公文書偽造(かつ行使)、私立大学であれば私文書偽造(かつ行使)の犯罪になります。

なお、履歴書などに虚偽を記載しても、私文書偽造罪にはなりません。他人名義の文書の偽造でなく、自分名義の文書に虚偽事実を記載しただけだからです。

リファレンスチェックと呼ばれる身上調査をしている企業も多いです。

外資系企業では以前から当たり前でしたが、近年では日系企業でも行なわれる機会が増えています。特に金融や会計などに関連する企業では盛んに行われているそうです。

その他、不審な点があれば、大学側に問合せもできますし、最近では本人のSNSをチェックしている企業も多いです。

国内でなく、アメリカの大学を卒業したと詐称した場合はどうでしょうか。

アメリカには「大学」を名乗る組織が多数あり、「学位」を売っています。いわゆる「diploma mill」と呼ばれるビジネスですね。

これに対し、学歴をチェックする会社もあり、卒業の真偽や大学のレベル、そもそもその大学が大学として存在するのかなどを調べられます。

また、その大学から一人しか入社しないことは極めて稀でしょうから、嘘であれば他の志願者やOBOGの社員に尋ねればすぐにわかってしまいます。

万が一入社できたとしても、どこかで出身校の話になったときに辻褄が合わなくなってばれる可能性が高いです。

そんなピンチをなんとか切り抜けて会社生活を表面的に平穏に送れたとしても、幹部職になるときに改めて厳格な身上調査をされることが多いです。「幹部職は〇〇大学卒業以上」という暗黙のルールがあったりするためです。

順調に出世できたと思っていたところで詐称がばれてしまうと、その落差は大変なことになりそうです。

5、出来ないことを「出来る!」と言って入社した場合ってどうなるのか?

blickpixel / Pixabay

もし、学歴詐称がばれずに入社できたとして、その後はどうなるでしょうか?

この場合でもやはり、無理をした歪みがどこかに生じてしまうものです。

会社としては、履歴書などに書かれた能力や資格があるという前提で仕事や責任を与えてきます。それは本人が申告した経歴を信じたからこそであって、過大な要求をして困らせるという「パワハラ」では全くありません。

しかし、当の本人は困るでしょう。自分ができると言って、相手もできて当然と思って依頼された仕事が実際にはできないのですから。しかも、経歴詐称で期待値を高めてしまった分、実力不足が露呈しやすくなっています。

入社して間もないうちはまだ不慣れだからと大目に見てくれるかもしれません。しかし次第に「何かおかしい」と周囲の不審感が高まっていき、どんどん追い詰められていきます。

英語ができるはずでは?

バイトやサークルでリーダーシップを発揮したって言ってたよね?

インターンで何度も経験したことがあるんじゃないの??

え?その資格を持ってるなら知ってて当然のことだろ?!

・・・

常に詐称発覚のストレスに脅かされ続け、胃がキリキリ締め付けられるような日々。

そんな日々も、いつか突然終わりを迎えます。

最悪の形で。

自業自得と言ってしまえばただそれだけのことなのですが。悲惨です。

6、経歴詐称での判決例を紹介!

qimono / Pixabay

経歴詐称に関する事例について、典型的なものを5つご紹介します。

・グラバス事件(東京地判平成16年12月17日)は有名です。

プログラミング能力がないにも関わらず、経歴書に多数の会社での開発経験を記載。採用時の面接でも同様の説明。職歴詐称で懲戒解雇。

採用の可否や採用後の職務執行に直接影響する事柄に関して重大な虚偽があれば、懲戒解雇もありえます。

・一方、5社での職歴のうち、3つの職歴を記入しなかったという事例では、懲戒解雇は認められませんでした(福島地裁いわき支部昭和59年3月31日)。

記入しなかった勤務がいずれも短期間であり、「その労働者の資質、能力の評価に関する重要な経歴を詐称したものとはいえない」と判断されました。

低学歴を詐称した事例もあります。

・採用試験において、大学中退を高卒と偽ったことが、懲戒解雇事由にあたると判断されました(最高裁第一小法廷平成3年9月19日)。

学歴を低くするのであれば一見問題ないように思えますが、他の従業員の学歴との釣り合いがとれず、社内秩序を乱しかねないという判断でした。

・メッセ事件(東京地裁平成22年11月10日)では、賞罰歴を詐称したことが懲戒解雇事由として認められました。

実際には名誉棄損罪で服役していたが、賞罰なしと虚偽の記載をした履歴書を提出、その期間に渡米して経営コンサルタント業務に従事していたと虚偽の申告。

・資格がなかったという事例もあります(静岡地裁掛川支部平成29年7月18日)。

無免許で車を運転したとして道路交通法違反容疑で逮捕された元アナウンサー(諭旨解雇処分)に懲役5月、執行猶予3年。

履歴書に「普通自動車運転免許取得」と記入していたかどうかは不明ですが、局には偽造した運転免許証のコピーを提出していました。

経歴詐称が本人の能力評価や採用の可否、入社後の職責や職位、社内の秩序などに対して大きな影響がある場合は、懲戒解雇が有効とされる傾向が見てとれます。

皆が羨むような会社に入りたいがためという自分勝手なケースばかりでなく、生活していくためになんとか入社しなければという切実な思いからのケースもあるようです。

なお、経歴詐称をした場合、法律的には軽犯罪法違反になり、拘留又は科料の罰則を受ける場合があります。

詐欺罪は金銭や財産的価値のある物やサービスを詐取する罪ですが、入社すること自体はこれらに相当するとはいえず、給与や賞与は労働の対価とみなされるため、通常は詐欺罪は成立しないことが多いです。

7、内容によっては懲戒解雇になることも

HG-Fotografie / Pixabay

刑法に「経歴詐称罪」というものはありません。多くの場合は罰則規定がない労働契約法違反であり、刑事罰を問われ犯罪行為として立件される可能性はほとんどありません。

しかし、以上の事例のように、経歴詐称はその程度や内容によっては懲戒解雇という最悪の事態になってしまうおそれがあります。

早期に判明すれば、内定取消しの可能性もありえるでしょう。

解雇するかどうかの一次的な決定権は、その企業の上層部や人事部にあります。軽微な詐称でも解雇される可能性はなくはありません。解雇処分があった後に「不当解雇」として裁判で争うかどうかは、解雇された本人次第ということになります。

裁判で懲戒解雇が認められるかどうかは、『重要な経歴』を詐称したかどうかによります。

これは「労使間の高度な信頼関係を破壊するものか否か」という観点から判断されます。より具体的には「職務遂行に支障が生じるか」「社内秩序に混乱が生じるか」という基準です。これらに該当する内容であれば、重大な経歴の詐称とされます。

上記をふまえ、解雇までされるかどうかは、「事前にその経歴詐称が判明していれば、明らかに採用していなかった」といえる程度のものであるかどうかによります。

業務遂行面以外では、人間的に信頼できるかどうかという人間関係の基本部分が大きく損なわれてしまうことが大きいです。雇用主との関係はもちろん、職場の同僚との関係にも致命的なヒビが入ります。

実際に詐称が発覚すれば、やはり職場に居づらくなり、退職に至るケースが多いです。そのような事情での退職は、その後の転職活動や人生にも暗い影を落とし続けるでしょう。

8、経歴詐称ダメ、絶対!

Free-Photos / Pixabay

このようにならないためにも、経歴詐称は絶対にしてはいけません。

就活で少しでも自分を良く見せたい気持ちはわかりますが、それがあまりにも度を越してしまうと、チャンスを掴む可能性よりは、いずれ酷い目に遭う危険性ばかり大きくなってしまいます。

最近では、大学の就職カウンセラーから過剰な「盛り」を薦められるケースもあるようです。先輩や周囲の人たちから同様なアドバイスを受けることもあるでしょう。

しかし、最終的にその「盛り」の責任をとることになるのは、他ならぬあなた自身なのです。言われたとおりにしただけというのは、言い訳になりません。

それに、「盛って」いることは、ほとんどの面接官に見抜かれています。面接官はエントリーシートがある程度は「盛られて」いることを織り込みつつ、面接で就活生を質問攻めにしてきます。そこで狼狽してしどろもどろになるか、それとも理路整然と応答できるか、という観点で評価されていることさえもあるそうです。

就活の時期を迎えた時点で、志望企業や業界に入るための能力や実績が不足しているのなら、つらいですが諦めるより仕方がないです。いわゆる「学歴フィルター」にしても、大学入学試験自体は公平に行われたのですから、不当な差別ではありません。

小手先のごまかしでなく、ありのまま等身大の自分を評価してもらい、その結果を受け止めるしかありません。

9、小括

rawpixel / Pixabay

結局、経歴詐称という「嘘」をつくことは、費用対効果がよくないです。短期的にはリターンを得られることもなくはないでしょうが、いかんせんリスクが大きすぎます。

内定や入社がゴールならともかく、その後ずっと嘘につきまとわれ脅かされる心理的負担を背負い続けた末、ある日突然「その日」が来てしまい、懲戒解雇される可能性が高いです。

本来であれば、ほんのわずかでも「盛り」はすべきでないです。

ただ、完全にアウトになってしまうような「盛り」ではなく、多少見栄をはった程度の「盛り」であれば、卒業するまでや入社してからの努力で、「嘘を真に」できることもあるかもしれません。そのあたりは個人個人で考え、自分で責任の取れる範囲で行ってください。

最後になりましたが、企業側も就活生に対して見せて良い面しか見せたがらないものです。中には「盛って」いる企業もあるでしょう。

あえて「騙し合い」とか「化かし合い」とまでは申しませんが、そこはお互い様ということで、いわゆる「ブラック企業」に騙されないように、就活生側でも気をつけるようにしたいものです。

10、まとめ

・経歴には、学歴と職歴と賞罰がある

・アルバイトやインターンは一般的には職歴に記入しない

・学歴詐称は発覚しやすい

・詐称して入社しても、常に発覚に怯える破目に陥る

・経歴詐称が発覚すれば、懲戒解雇になりうる

・詐称はアウト、「盛る」のもほどほどに