大学生が未成年飲酒して大丈夫?あなた、周りに課せられる罰則とは?

未成年の飲酒は、法律で禁止されています。

それでは、飲酒した未成年に罰則はあると思いますか?それに、そもそもどうして未成年は飲酒してはいけないのでしょう?

大学生になると、未成年であっても飲酒する場に居合わせることが多くなります。そういう場で飲酒をすすめられたとき、あなたはどうしたらいいのか。この記事にはそんなときにヒントになることが書かれています。ぜひ最後までお読みください。

1、なぜ未成年飲酒はNGなのか?

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未成年の飲酒は、どうして禁止されているのでしょうか?

それは、未成年の飲酒には、あなたの体と心、そして社会生活に悪影響をもたらす現実的な危険性があるからです。

 

身体面では、飲酒は成長期で発育途上の脳細胞を破壊し、脳萎縮をもたらす危険性があります。また、二次性徴に必要な性ホルモンに悪影響を及ぼすため、男子は性交不能症、女子は生理不順や無月経になることがあります。

さらに、臓器が未発達なので急性アルコール中毒になりやすく、脂肪肝や肝硬変、すい炎や糖尿病をひき起こしてしまう可能性もあります。

 

精神面では、集中力が続かず学習する意欲が低下してしまい、怠学、成績不振、そして中退につながることがあります。

将来について投げやりな態度になってしまうことがあり、怒りっぽく、自己中心的になるなど、性格が変わってしまうこともあります。

また、未成年者のアルコール依存症は、習慣的な飲酒を始めてからほんの数カ月~2年の短期間で発症するケースが多いとされます。

 

社会生活においては、理性的な行動ができなくなり、飲酒運転で自ら事故を起こしたり、不慮の事故に巻き込まれたりする危険性が高まります。また、浪費や借金などの金銭トラブルや、性犯罪を起こしたりする可能性が上がることがわかっています。

 

大学生であっても未成年であれば、未発達な心身に対する飲酒の危険性を自覚し、飲酒を控えるべきです。

 

2、未成年飲酒禁止法とは?

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このようなさまざまな悪影響を防ぐ目的で、未成年の飲酒は「未成年飲酒禁止法」により禁止されています。

未成年者飲酒禁止法のポイントは、大きく分けて3つあります。

 

①満20歳未満の者は飲酒してはならない。

未成年の飲酒行為そのものへの罰則はない。

 

②未成年者の親権者や監督代行者は、未成年者の飲酒を制止する義務を負う。

未成年者の飲酒を見過ごした場合は、科料に処せられる。

 

③酒類を販売する営業者(酒屋、コンビニなど)又は供与する営業者(飲食店、居酒屋など)は、満20歳未満の者が飲酒することを知りながら、酒類を販売又は供与してはならない。

酒類を販売又は供与する営業者は、満20歳未満の者の飲酒を防止するため、年齢確認その他必要な措置をとらなければならない。

これらの店が未成年者に酒類を販売又は供与した場合は、50万円以下の罰金に処せられる。

①は未成年自身についてですが、②と③は未成年の周囲の人に関する内容になっています。

なお、成年年齢引き下げを含む改正民法が2022年4月1日から施行されますが、満20歳未満の飲酒の禁止は変わらずそのままです。

 

3、未成年飲酒禁止法でさだめられている罰則

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未成年飲酒禁止法では、未成年者の親権者や監督代行者に対する科料、そして酒類を販売又は供与する営業者に対する罰則が定められています。

 

しかし、飲酒した未成年本人への罰則は定められていません。

これは、この法律が、飲酒の悪影響や飲酒行為の危険から未成年を守るという目的に鑑み制定されているからです。

 

ただし、法律に罰則はなくても、大学生であれば、所属する大学により処分されることがあります。

飲酒によって周囲に被害を与え、大学の名誉を著しく失墜させたなど、事案の重大性によっては、退学や停学などの重い処分がなされる場合もあります。

これらの処分は、法的には学校の教育指導処分権に基づいており、合法とされています。

 

大学生として責任ある行動を心がけましょう。

 

4、自分だけの問題じゃなくなる可能性が!

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飲酒の罰則は、未成年者本人というよりは、未成年者に関係する周囲に及びます。

監督者と販売者にどのような罰則があるのか、見てみましょう。

 

4−1、未成年飲酒をした監督者への罰則

未成年者飲酒禁止法では、「未成年者の親権者及び監督代行者が、未成年者の飲酒を止めなかった場合、科料に処する」とされています。

科料とは、1000円以上10000円未満の範囲内で科される、低額の罰金のようなものです。

 

親権者は、父母などです。

監督代行者とは「親権者に準じ、または親権者に代わって一般的、総合的に未成年者を監督すべき立場にある者」のことをいいます。

具体的には「他地域から出てきた親類知人等の子を預かって同居させて面倒を見ている者、親に代わって実弟を監督している同居の兄、学生寮の舎監、住み込み店員の雇主」等が監督代行者にあたります。

 

この解釈によれば、大学のサークルの先輩は、未成年者を手元に引き取って面倒を見ている等の特別な事情がないかぎり、未成年者の日常的な生活面を監督するとはいえず、監督代行者に該当しません。

したがって、この法律による罰金の対象にはならないことが多いです。

 

4−2、販売者への罰則

未成年者飲酒禁止法では、酒類を販売・提供する店が、未成年者が飲酒することを知りながら、酒類を販売・提供することを禁止しています。

罰則も儲けられており、50万円以下の罰金に処せられます。

 

罰金の金額が親権者及び監督代行者の科料(1000円~10000円)と比べ大きく、さらに、罰金の刑に処された営業者は、酒税法に定める酒類販売業免許の取消要件に該当することになります。

罰金を払うだけでなく、営業できなくなってしまうことがあるのです。

 

それゆえに、酒類の販売・提供店では、酒類を販売・提供するとき、未成年者と思われる者に対して年齢確認が義務付けられています。

店側の確認不足があったときは、店側の責任は免れません。

また、店側が年齢確認をしたとき、未成年が「成年である」旨の虚偽の申告をしたときも、法律では未成年者側への罰則はなく、店側が確認を怠ったとされます。

未成年側の嘘によって、店の営業に支障をきたすこともあるのです。

 

5、先輩などに飲酒を強制された場合には?

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飲酒を強制した側には、刑法に定められた重い罪が科されることがあります。

 

・強要罪

暴行や脅迫などの行為により、飲酒を無理やり強要した場合。

・傷害罪

最初から酔い潰す(急性アルコール中毒などを引き起こす)ことを目的に飲ませた場合。

・傷害致死罪

傷害罪において、被害者が死亡した場合 。

・傷害現場助勢罪

傷害行為を扇動した場合。

・保護責任者遺棄罪

酔い潰れた人を放置して立ち去った場合。

・保護責任者遺棄致死罪

必要な保護をせず、泥酔者を死に至らしめた場合。

 

このように、飲酒の強要には、それが端緒となって様々な犯罪が成立する危険性があります。

 

また、刑事罰だけでなく、民事上の損害賠償請求の対象ともなります。仮に就業前の大学生が死亡したとすると、将来得られるべき逸失利益が大きめに算定される傾向があり、高額の損害賠償義務を負うことがあります。

 

アルコールハラスメントという言葉もあります。大学生になると飲酒の場に参加する機会が多くなりますが、あなた自身が被害者にならないようにするだけでなく、加害者にもならないように、未成年の飲酒には充分気をつけましょう。

 

6、未成年者の飲酒を甘く見てはいけない!

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2012年度に、東京消防庁管内で飲酒による急性アルコール中毒により病院に搬送された人数は11976人で、うち20歳未満の未成年は510人にのぼっています。

 

未成年者は、飲酒により、飲酒する前には予想もできなかった犯罪や事件事故に巻き込まれることがあります。

新入生歓迎会やクラブの合宿での酒盛りでの急性アルコール中毒や、飲酒運転による事故、飲酒後の暴力事件、泥酔して転倒した際の大怪我や水難事故などが発生するおそれがあります。

 

2016年夏の、某大学の未成年の女子学生が、広告研究会の男子学生数人に飲酒を強要されて乱暴され、さらにその様子を動画に撮影されたという事件は、いまだ記憶に新しいところです。

 

たかが飲酒と思っていると、思わぬ大きな被害を受ける羽目に陥るかもしれません。

 

7、小括

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いかがでしたでしょうか。

法律で禁止されている未成年の飲酒には、あなた自身の心身に被害をもたらし、さまざまな危険にさらすだけでなく、周囲にも大きな影響を与えてしまうおそれがあります。

 

さて、ここまでお読みになってくれたみなさんは、サークルの先輩などから強引に飲酒を勧められた場合にどう対応したらよいか、もうおわかりかと思います。

 

はっきりと「飲みません!」と意思表示しておけば、その意思に反する強要は明らかに犯罪になります。

「20歳になるまでは飲酒はしないと実家の家族と約束している」と付け加えれば、相手側も納得しやすいでしょう。

場の雰囲気に安易に同調せず、周囲からの圧力に流されず、背伸びして格好つけようとせず、毅然とした態度で断るようにしましょう。

 

8、まとめ

 

・未成年の飲酒は、心身の健全な発達に悪影響を及ぼす

・未成年飲酒禁止法では、未成年者の飲酒行為への罰則はないが、大学による停学や退学の処分がありうる

・2022年4月に民法で成年年齢が引き下げられても、満20歳以下は飲酒が禁じられている

・未成年飲酒禁止法では、親権者や監督代行者には科料、販売者や提供者には罰金などの罰則がある

・大学の先輩は監督代行者にはあたらないことが多い

・未成年者の飲酒は、思わぬ大きな被害につながってしまう危険性がある

・先輩に飲酒を勧められても、はっきり断ろう

 

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