法学部出身の人材であるあなたは、将来どういった方面を志望しているのでしょうか。
官僚など公務員になりたい人、法曹資格を得たい人、教員志望の人など、希望する進路もバラエティに富んでいるでしょう。
このような進路であれば、試験に受からないと就職できませんが、そういった道ばかりではもちろんありません。
法学部を卒業しますと、どんな方面で、またどんな理由で就職に有利になるでしょうか。
法学部の人材はなにを学べ、就職に活かせる?
法学部人材のあなたが、他学部の人に対して、特に誇れるスキルは何でしょう。
「法律の知識」という回答が普通なのではないでしょうか。
ですが、学部で学んだだけで、どれだけ法律の知識を学んだといえますでしょうか。
法学部を出ただけでは、当然ながら司法試験にはまったく引っ掛かりませんし、その程度の法律知識がただちに生きるほど、世間は甘くはありません。
せいぜいが、テレビのニュースを聞きながら、事件がどの犯罪に該当するのかを一般の人よりは余計に語れる程度ではないでしょうか。
といっても、刑事訴訟と民事訴訟の区別すらつかない一般人に素直に感心してもらえる程度の知識が、どれだけ役立つのかというと疑問です。
といって恥じることはありません。真の法学部のメリットは、「論理的なものの考え方」にあるでしょう。こちらのほうが、薄っぺらい知識よりもずっと大事なのです。
法律とは、一般の人が思っているような条文の羅列ではありません。ものの考え方の積み重ねです。
リーガルマインドという言葉はよく聞くことでしょう。その中身は、知識と論理力です。
理系の人は、論理的思考ができないと話になりませんが、文系でもっとも論理を駆使するのが法律の分野です。
条文など、六法全書で調べればわかることで、細かく覚えていなくてもいいのです。むしろ、中途半端な知識などあるだけ邪魔になる場合すらあります。
民事でも刑事でも、課題に関してきちんと自分の頭脳を使ってものを考える訓練をしてきた人は、どんな企業に勤めても必ず戦力となります。
この能力は、他の文系学部の人にはなかなか見られないものです。
法学部人材が、就職のために法律系の資格を目指す
法学部人材であっても、中途半端な法律の知識は足を引っ張るだけですが、体系的かつ論理力を背景にした知識があれば、どんな業界でも必ず役に立ちます。
ですがその能力について、他人と比較してアピールするためには、試験に受かることが必要です。
といって、「法律の能力」というものは試験で簡単には測れません。司法試験や上級公務員試験のような、論理を駆使して答案を書かせる試験でようやく比較ができる程度です。
それより難易度の低い法律系の資格は無数にあります。もちろん、決して簡単ではないのですが、法律の能力についてはなかなか差は出ません。
詰込み型の知識でも突破できるのが実情です。
法律系の試験は様々で、司法書士や行政書士など代表ですが、他にも社会保険労務士、土地家屋調査士、不動産鑑定士、宅地建物取引主任者など無数にあります。
試験の得意な方は、そういった試験科目を選んで勉強に励むのも、戦略としては誤っているとは言えません。
ですが、落とし穴に気を付けましょう。
詰込み型の勉強で突破できる法律系の資格を取って、その業務に従事するとします。そうすると、結局は論理力の勝負になるのです。
詰め込んだ知識は、試験を突破しただけの役にしか立たず、改めて実務を覚えていかなければならないのが普通ですが、その際に論理力があれば習得がスムーズなのです。
ですから、どんな資格を目指すにしても、結局法律に対してきちんと立ち向かえる人材でないと仕事はできません。
大学生ですと、社会に出てからのイメージがわかず、就職のため資格を取っておけば安心と思いがちです。
ですが、やりたいことと一致していない資格は活かしづらいことも知っておきましょう。
法学部人材の民間への就職
法学部出身の人材は民間企業でも引っ張りだこです。なぜそうなのでしょうか?
先輩が活躍しているので、期待されることが多いと思われます。そのようなイメージだけで有利になっている場合もあるでしょう。
ですが、先輩の活躍にはちゃんと根拠があるわけです。
課題に取り組み、論理的なアプローチと体系だった知識を活かして解決するというプロセスこそ重要です。
こうした能力が活きない業界はありません。
きちんと勉強をしたことをアピールできるなら、たとえ資格試験に受かっていなくても就職に有利だということがおわかりいただけたでしょうか。
そのためには、サークル活動で活躍したというアピールだけではだめなのです。学校の試験について、いい点を取っていたことは非常に重要でしょう。
学校の試験など役に立たないと思うのは人の勝手ですが、評価をするほうからすると、も大解決能力の高い人材が欲しいわけです。
特に法学部の場合には高い成績を得ていれば、期待する新入社員像に近くなるわけです。