自腹?アルバイト先からの「罰金払え!」は弁償しないといけないのか

「アルバイトのミスで3万円を請求された!」そんな悩みを持っているアルバイト必見!休憩時間に読める!罰金の支払いに応じる必要はない?アルバイト中のミスで、雇用主に自腹での弁償、罰金を強いられていても支払う必要が無い理由をご説明します。

1、アルバイト先で「罰金を払え!」と言われたら

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アルバイトでご活躍の学生の皆さん、ご安心ください。

アルバイト先で、罰金を命じられた際に、罰金を支払う必要はありません。

弁償、罰金といった損害賠償を設けると、法律上、

「労働者であるアルバイトと雇用側との間に不正な関係がある」

とみなされるためです。

アルバイト労働者の利益を守る法律がこちら、「労働基準法第16条」です。

労働基準法第16条

「使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。」

労働基準法第16条を、アルバイト先でのミスの罰金の例に当てはめると以下のようになります。

「アルバイト先の使用者(店長など)は、アルバイト上で発生したミスについて、罰金を定めて、支払いを強要することはできない。」

軽微な業務上のミスなら、雇用主のリスク管理能力の問題があります。

ただし、故意に行った場合や重過失、人命にかかわるような重度なミスなどは例外です。

アルバイト先の雇用主に重度の損失を与えた場合、雇用主に弁償などの賠償請求をされる可能性があります。

ですが、基本的にはアルバイト先で「このミスには罰金を払え!」と言われても罰金の支払いに応じる必要はありません。

2、弁償に発展した!アルバイトにまつわる金銭トラブル6選

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近年、ブラックバイトと称され、法的にグレーな雇用契約を結ぶ雇用主が増加傾向にあります。

アルバイト中に弁償へと発展した金銭トラブルの頻出事例6選を挙げます。

1.ホールバイト中に運んでいた皿を10枚割り、すべて自腹で買い取り弁償した。

アルバイトで業務中に商品を損失させた際に、自腹で賠償させることは法律上許されません。

皿を割ってしまうなど軽微なミスならば雇用側に、予めマニュアルに運び方の記載を怠ったリスク管理能力の責任が問われるからです。

ただし、アルバイト労働者が意図的に皿を割ったことが証明できる場合は例外で、損害賠償の対象になります。

2.クリスマスケーキの販売にノルマが課せられていたが、達成できず、罰金としてすべて自腹で買い取り弁償した。

ノルマを守る法的な義務はございません。

アルバイトに限らず、労働者の義務は「労働に従事すること」(民法第623条)です。

ノルマに沿って「結果を出すこと」は義務付けられておりません。

アルバイトの義務はあくまで労働力の提供のみです。

「ケーキが売れないこと」は明らかに、販売戦略に問題があり、雇用主に責任があります。

アルバイト労働者に雇用主が果たすべき責任を負わせることは認められていません。

3.バイトのミスに対してペナルティが課されて、給料から罰金が天引きされた。

ペナルティ自体が先の労働基準法第16条に反しています。

ペナルティを予め設定しておくことは、

「労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約」

に該当し、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。

4.スーパーで今月の売上達成のために、アルバイト全員で分担して大量の野菜を買わされた。

野菜など「備品、商品などの買い取り・負担」は、法的に適切な手続きを踏んでいる場合のみ可能です。

労働条件通知書、就業規則などの書面の労働条件の一部に、

「負担させるべき食費や作業用品その他に関する事項」(労働基準法第15条、同施行規則第5条第1項第6号)

が明示してある場合、雇用主はアルバイト労働者に請求ができます。

アルバイトをする際は労働条件を熟読し、「商品を負担させる」などといった項目が無いか確認しておきましょう。

5.レジ打ち業務中のミスで不足金が発生し、自腹での補填を求められた。

コンビニやスーパーで働くアルバイト労働者の場合は、レジを担当中に、一度はミスで不足金を発生させたことがあるかもしれません。

レジ操作のミスで、不足金を自腹で補填する法的義務はありません。

アルバイトの不意のミスは、雇用主の指導の監督不行き届きです。

労働者に自腹で補填を強いるのは、筋違いです。

6.給料から罰金を天引きされてしまった。

ミスによって生じた損害分の弁償額を賃金から天引きする行為は、労働基準法24条によって禁止されています。

労働基準法第26条では、賃金の全額支給いは原則であると定めてあります。

国民年金や社会保険などといった特別な理由のない限り、賃金を減額する行為は認められません。

損害分を弁償させ、賃金から天引きする行為は、労働基準法第26条を違反しています。

天引きが発覚した場合、弁護士や法律事務所に相談しましょう。

3、アルバイトのミスは誰の責任?

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結論から言えば、アルバイトのミスはアルバイト労働者の雇用主の責任です。

利益は、アルバイト労働者の労力によって生み出されます。

アルバイト労働者は、原則的に雇用主の指揮監督に従って労働を行います。

つまり、アルバイト労働上のミスの責任は、利益を得ている雇用主サイドが負担すべきと捉えることができます。

アルバイトでミスしたら、雇用主が責任を負わなくてはいけないのです。

アルバイト労働者に罰金や弁償などミスの責任を負わせる行為は筋違いです。

ちなみに、以上は民法1条2項信義則で保障されている内容です。

4、アルバイトへの損害賠償は違法なのか?

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アルバイトへの損害賠償の違法性はグレーゾーンです。

労働者のミスによって発生した損害を賠償しなければいけないという一般論と、

労働者がミスの責任を負う必要はないという法律上の解釈が二律背反であるためです。

労働者のミスによって生じた損害の度合いは、主観で測るのは控えて、必ず第三者に立ち入って判断してもらいましょう。

労働者が故意で起こしたミスでかつ、その損害の度合いがあまりに大きい場合は損害賠償の請求も視野に入れる必要があります。

ですが、労働者が不意に起こす軽微なミスについては、法的に損害賠償の対象とは捉えにくいです。

5、明らかにおかしい請求は相談を

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基本的には、アルバイト労働者がミスの損害賠償請求に応じる法的責任はありません。

しかし、雇用主がそれを認知しているケースは少ないです。

もしもミスの損害賠償の請求額として法外な値段を請求された場合は、弁護士や法律事務所に法律相談しましょう。

とはいえど、弁護士に気軽に相談できるものなのかと、

相談方法について悩むでしょう。

準備と相談方法の二つにわけて解説します。

相談の準備編

相談の際は口頭で伝えるのではなく、客観的な証拠が必要です。

例えば、賠償請求書、給与明細、労働契約書などこれらはすべて、証拠となり得ます。

書類など、証拠になりそうと思ったらは必ず残しておきましょう。

法律相談の方法

法律相談には無料相談も用意されています。

自治体によって異なりますが、「弁護士会法律相談センター」「市民相談室」などのサービスで、
短時間で無料で法律相談を受けることができます。

アルバイトのミスで不当な損害賠償請求をされた場合は必ず相談しましょう。

6、ミスはミス!きちんと謝罪はしよう!

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いくらアルバイト中のミスの損害賠償責任が無いと言っても、自分のミスに対して雇用主にきちんと謝罪するのはビジネスルールです。

次の4点だけ抑えて謝れば、誠意が伝わるでしょう。

・お客様と雇用主に「申し訳ございませんでした。」と丁寧に謝る
・ミス後の状況を改めて振り返り、ミスを認める
・ミスを繰り返さないためのコツを聞く
・できれば、ミスをした数分以内に、雇用主に謝る

「明日謝ればいいや」では済みません。

ミスをしたらその直後に謝らなければ、謝るチャンスが先延ばしになり、お客さまや雇用主の怒りが蓄積するだけです。

ミスをしたら、できるだけ早く謝りましょう。

7、小括

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アルバイト労働者は、アルバイト先で、罰金を命じられた際に、必ずしも罰金を支払う必要はありません。

雇用主側も、罰金や弁償、ペナルティなど、労働者に損害賠償を請求することは法律的に認められていません。

アルバイト労働者のミスは、基本的には指揮監督が不届きであったという雇用主側の責任になります。

この法的根拠は、労働基準法第16条に基づいています。

ただし、アルバイト労働者が故意に行った場合や重過失、人命にかかわるような重度なミスなどは例外です。

アルバイト先の雇用主に重度の損失を与えた場合、雇用主に弁償などの賠償請求をされる可能性があります。

アルバイト中のミスで、重度に損害を与えてしまった場合は、弁護士や法律事務所へ相談をしましょう。

 

まとめ

◎アルバイト先で、罰金を命じられた際に、罰金を支払う必要はありません。

◎アルバイト中に弁償へと発展した金銭トラブルの頻出事例6選を挙げました。

◎アルバイトのミスはアルバイト労働者の雇用主の責任です。

◎アルバイトへの損害賠償の違法性はグレーゾーンです。

◎自治体の「弁護士会法律相談センター」「市民相談室」などのサービスで、短時間で無料で法律相談を受けることができます。

◎先に挙げた4点のポイントを抑えて謝ることで、きちんと誠意を伝えましょう。